
パラマウント・スカイダンスによるワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の買収計画に、待ったがかかりました。カリフォルニア州など12州の提訴を受け、米連邦地裁は7月20日、買収手続きを一時的に止める命令を出しています。
担当したアラセリ・マルティネス・オルギン判事は、州側の主張に相当の根拠があると判断しました。巨大メディア企業同士の統合が競争環境に及ぼす影響が、今後の争点となりそうです。
訴訟は、カリフォルニア州が主導し、ニューヨーク州やアリゾナ州、オレゴン州など計12州が7月13日に共同で起こしたものです。州側は、今回の買収が企業結合を規制するクレイトン法第7条に違反する可能性があると主張しています。両社の統合により映画や配信サービスなどの市場で過度な集中が生じ、消費者やクリエイターに不利益をもたらす恐れがあるとも指摘しました。
差し止め命令の効力は14日間とされ、少なくとも8月3日までは買収手続きが凍結される形です。この間、裁判所はより詳細な審理を進める方針とみられます。次回の審理は8月3日に予定されており、訴訟の決着まで、買収の続行を差し止める予備的命令が出されるかどうかが判断される見通しです。
今回のパラマウントによる買収は、1株当たり31ドルでWBDの全株式を取得する内容で、総額は約1100億ドル(約17兆8000億円)に上ります。WBDの株主は2026年4月に買収を承認済みで、米司法省も連邦レベルではすでに取引を承認していました。今回の州側による提訴と地裁の差し止めは、この流れに待ったをかける形となりました。
市場支配力への影響と今後の焦点
州側は今回の訴えの中で、統合後の市場シェアについても具体的な数字を示しています。パラマウントとワーナーを含む3社で劇場公開映画の75%を扱うことになり、ディズニーやユニバーサル、ソニーを加えた上位4社では86%に達するとしています。興行収入が大きい作品に限れば、上位4社のシェアは9割を超えるとの試算も示されました。
基本ケーブルチャンネルのライセンス市場でも、WBDは2位、パラマウントは3位の規模を持っており、統合後のシェアは約27%になるといいます。訴状によると、買収後の会社がニュースやスポーツ、娯楽を扱う50超のチャンネルを管理することになると説明しました。独立系の制作会社や中小の配給会社への影響も、今後の論点となりそうです。
今後の審理では、競争環境への具体的な影響に加え、企業側が示す是正措置の妥当性なども検討される見通しです。パラマウント側は、州側の反トラスト法上の主張に根拠はないと反論しており、訴訟の最終判断には数カ月かかる可能性があります。米国のメディア産業における大型再編のあり方が問われる展開になるとみられます。












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