
超音波を用いて頭蓋骨越しに脳へ働きかける非侵襲型BCI(ブレイン・コンピュータ・インターフェース)を開発する中国のスタートアップ「格式塔科技(Gestala)」は、エンジェルラウンドの追加調達において4億2000万元(約100億円)の資金を獲得しました。これにより、同社の累計調達額は5億7000万元(約137億円)に到達し、中国のBCI分野における初期段階の資金調達としては最大級の規模を誇る企業の1社となっています。
今回の投資ラウンドは華映資本(Meridian Capital)が主導し、C Capitalや紅杉中国(HongShan)、藍思科技(Lens Technology)、既存株主である道彤投資(Dalton Venture)などが参加しました。この大規模な資金調達に合わせて、上海市閔行区のBCI産業集積区「脳智天地(NEURO SPACE)」に新設した本社も本格稼働を開始しています。
同社は2026年1月1日に設立発表された新興企業であり、創業者の彭雷氏は、著名なBCI企業である「脳虎科技(NeuroXess)」の立ち上げにも携わった実績を持ちます。上海と成都の2拠点を軸とする戦略を急速に推し進め、6月26日には成都ハイテク産業開発区の「成都天府国際生物城」内にて、グローバル本社および世界初となる超音波BCI生産用のスーパーファクトリーの第1期プロジェクトを竣工させ、稼働を始めました。
Gestalaが開発する技術は、低強度の超音波を集束させることで、神経細胞を傷つけずに脳の特定領域の興奮や抑制を制御する革新的なものです。到達深度は6〜7センチに及び、米Neuralinkなどが採用する開頭手術を伴う「侵襲式」や、空間分解能に限界がある経頭蓋磁気刺激などの従来の「非侵襲式」が抱えていた課題を克服しています。さらに、機能的超音波イメージングにより血流変化を検出して間接的に脳活動を読み取る仕組みも備えており、パーキンソン病やうつ病に関連する視床や海馬といった脳深部領域へも安全にアクセスすることが可能となるため、世界の医療現場から熱い視線を集めています。
段階的な商業化ロードマップとリハビリテーション分野への展開を見据えた展望
Gestalaは製品の商業化に向けて、医療機器から取り組みを始め、将来的には家庭用医療機器、さらには家庭用電化製品へと応用範囲を広げていく漸進的な構想を描いています。
具体的なロードマップとして、2026年末に慢性疼痛の管理を対象とした第1世代製品やAIモデルを発表する予定です。これまでの研究では、45分間の超音波刺激によって疼痛スコアが約50%低下し、その効果が1〜2週間持続することが確認されています。続いて2027年頃に大規模な臨床試験を完了させ、2028年上半期には生命維持に用いられる高リスクな第3類医療機器の認証取得を推進する見通しです。
今後は慢性疼痛にとどまらず、不安障害やうつ病などの精神疾患治療にも探求を広げます。さらには、出資者である人型ロボット企業「傅利葉(Fourier)」と連携し、脳卒中リハビリテーションにおいて能動的な神経訓練モデルの構築を目指すなど、多様な分野での社会実装に向けた動きが加速しています。












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