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米国と中国の間で高度な人工知能(AI)を巡る開発競争が激しさを増す中、トランプ米政権は最先端AIモデルの安全性を審査する新たな独立機関の設立を検討しています。7月17日に報じられた情報によれば、サイバー攻撃などの安全保障上のリスク抑制と、イノベーションの促進を両立させることが主な狙いとされています。この構想は、米証券取引委員会(SEC)の監督下にある米金融取引業規制機構(FINRA)をモデルにしており、業界が協力して安全基準を策定する組織となる方向で調整が進められています。新機関の検討プロセスにはベッセント財務長官やワイルズ大統領首席補佐官も深く関与しているとみられています。
テクノロジー業界のトップからも、一貫性のある安全なルール整備を求める声が相次いでいました。グーグル・ディープマインドのハサビス最高経営責任者(CEO)は14日に独立した評価機関の必要性を提唱しており、首都ワシントンで米国の政策立案者と直接協議し、自身の構想への支持を呼びかける予定です。政権側の検討内容も、こうした業界側の自主規制の枠組みに沿ったものになると予想されています。
こうした米国政府の動きの背景には、中国勢の急速な技術的台頭に対する強い危機感があります。中国のAI新興企業である月之暗面(ムーンショットAI)は16日(日本時間17日)、最先端の大規模言語モデルである「Kimi K3」を発表しました。同社によると、この新モデルの総パラメータ数は2兆8000億規模に達し、高度な情報処理能力を有しています。一方、米国を拠点とするアンソロピックは最先端の推論・エージェント機能を備えた「フェイブル」を展開し、同じく米国のオープンAIは市場を牽引する総合的AI技術を用いた最新モデルを提供しています。「Kimi K3」はこれら米国企業が展開するトップクラスのAIモデルに匹敵する性能を持つとの声もあり、こうした強力なライバルの台頭は、米国ハイテク産業界における競争環境の変化と強い危機感を浮き彫りにしています。
技術盗用疑惑による米中摩擦の激化とルール整備の急務
しかし、最先端AIの躍進の裏で、米中間の新たな火種も生まれています。米ホワイトハウス科学技術政策局のクラツィオス局長は22日、自身のSNS(X)を通じて、中国のムーンショットAIが、米国のアンソロピックが開発した高性能AI「フェイブル」の出力データを不正に利用し、自社のモデルに学習させる「蒸留」と呼ばれる手法を仕掛けたと厳しく非難しました。この問題に対し、ベセント財務長官は不正行為には制裁措置で対応すると強く警告しています。
これまで米国政府は、国家安全保障上の懸念から場当たり的な輸出管理措置などで介入し、業界に混乱を招いてきた経緯があります。トランプ米政権としては、中国とのAI覇権争いで確固たる優位を維持するためにも、イノベーションの芽を必要以上に摘むことなく、明確かつ実効性のある安全審査の指針を早急に策定することが求められています。












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