
海洋研究開発機構などは24日、南鳥島沖で試掘して回収したレアアース泥の成分分析結果を公表し、回収分の約54%がイットリウムなどの中重レアアースだったと明らかにしました。中重レアアースはEVの駆動モーター用磁石や半導体、原子炉の制御などに使われる重要鉱物で、供給の偏りが大きい中国依存の見直しにもつながる可能性があります。海洋機構などは来年2月から本格的な採鉱試験に入り、産業規模でのレアアース生産プロセスを検証する方針です。
今回の試掘は今年1~2月、南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)で実施されました。地球深部探査船「ちきゅう」から約5600メートルのパイプを海底まで延ばし、約50トンの泥を回収したということです。海底深くの泥を安定して引き上げられるかを確認できたことは、資源開発を研究段階から実用段階へ進めるうえで大きな意味があります。
分析では、LEDや半導体製造に欠かせないイットリウムが29.9%で最も多く、原子炉の制御に使うガドリニウムが4.9%、EV用モーターの耐熱性向上に使われるジスプロシウムが4.6%でした。永久磁石の原料となるネオジムも18.4%含まれており、再生エネルギー機器や電動車の部材として幅広い用途が見込めます。さらに、回収した泥からは有害物質や放射性物質について有意な数値は検出されなかったとされ、環境面の懸念を一定程度和らげる結果となりました。
採鉱試験の焦点
海洋機構が公表した資料によると、南鳥島周辺のレアアース泥は、探査、採鉱、分離・精製、製錬までを一体で実証する対象として位置づけられています。2027年には1日350トン規模の採鉱試験も視野に入り、実際の回収量や処理効率、設備の安定稼働がどこまで実現できるかが焦点になります。また、2028年3月までには経済性の評価も進める計画で、商用化に必要な採算ラインを見極めることになります。
南鳥島沖のレアアース開発は、日本の経済安全保障に直結するテーマとしても注目されています。日本はレアアースの多くを海外供給に頼っており、とくに中重レアアースは調達先の偏りが課題です。今回の分析結果は、国産資源としての可能性を具体的に示した一方で、量産化と低コスト化の両立という次の課題も浮き彫りにしました。








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