
世界の資本市場に、歴史的な変革の波が押し寄せています。ロンドン証券取引所グループ(LSEG)は7月21日、月曜日から金曜日まで平日ほぼ休むことなく連続して株式などの売買が可能となる新たな取引施設「London Stock Exchange 24(LSE 24)」を立ち上げる計画を正式に発表しました。
この新市場は、既存のメインマーケットとは完全に独立したシステムとして運営されるように設計されています。これにより、日中の通常取引時間帯が持つ価格形成の安定性や流動性を維持したまま、伝統的な取引時間外における世界中の投資家の参加機会を大幅に広げることが可能となります。具体的には、メイン市場が引き続き午前8時から午後4時30分まで通常通り運営されるのに加え、新市場の「LSE 24」は午後5時から翌朝午前7時50分まで稼働します。なお、一日の終了処理を行うための午後6時30分から午後7時までの30分間はシステムが休止されますが、この新たな枠組みによって事実上1日あたり約22.83時間の取引機会が新たに創出されることになります。
今後のスケジュールとして、2026年末までに顧客向けのテスト環境の提供を開始し、規制当局の承認を前提として2027年上期からの正式稼働を見込んでいます。最初の取引対象資産には、ロンドンが国際的なハブとして強みを持つ上場取引型金融商品(ETP)が選定されました。さらに将来的には、個別株式などその他の有価証券へ対象を拡大していく方針も示されています。システム面でも次世代のアルゴリズム取引をサポートする機能が盛り込まれており、投資家が突発的な世界的イベントへ即座に反応できる柔軟な環境が整備される予定です。
世界の主要取引所で激化する「時間拡大競争」の背景
取引所の24時間化を目指す動きは、欧州にとどまらず世界的な潮流となっています。この背景には、暗号資産(仮想通貨)などの取引を通じて、通常の取引時間に縛られない「24時間365日」の投資スタイルに親しんだ個人投資家が世界中で急増していることが挙げられます。彼らがいつでも瞬時に市場へアクセスできる環境を求めるなか、各国の主要市場では取引時間の長さが新たな競争の軸となっています。
実際に、米国市場ではナスダック(Nasdaq)が2026年12月から平日の取引時間を1日23時間へ延長する計画を発表しており、Cboeグローバル・マーケッツも同様に米国株の取引時間を1日23時間・週5日へ拡大する方針を打ち出しています。
2024年の上場廃止や海外移転が15年ぶりの多さとなるなど、 近年、新規株式公開(IPO)の停滞や上場企業の海外流出に直面しているロンドン証券取引所にとって、市場の魅力を高めてグローバルな投資マネーを呼び込むためにも、今回の取引時間の大幅な拡大は不可欠な成長戦略だったと言えます。












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