スペースXの新型ロケット「スターシップ」、13回目の試験飛行で衛星20基を宇宙空間へ放出

米宇宙開発企業スペースXは24日、大型ロケット「スターシップ」の13回目となる飛行試験をテキサス州の拠点「スターベース」から実施しました。今回の飛行では、次世代通信衛星「スターリンクV3」の実機20機を初めて搭載し、弾道軌道上での放出に成功しています。V3衛星は帯域幅と通信速度を大幅に高めた新型機で、太陽電池パネルとアンテナを展開し、既存のスターリンク衛星網との接続を試みました。
打ち上げ後、1段目の大型ブースター「スーパーヘビー」と2段目の宇宙船本体は計画通り分離し、宇宙船は約8分でエンジンを停止して弾道軌道到達に成功しました。その後、宇宙船は宇宙空間でのエンジン再点火試験を実施したうえでインド洋へ着水し、これまでの試験と異なり着水後に機体が爆発せず、洋上を漂流する様子が中継されました。ミッション全体は打ち上げから約1時間で終了し、耐熱シールドの損傷も最小限にとどまったとみられています。今回搭載されたスターリンクV3衛星は、従来機と比べて通信容量が大幅に拡大されており、地上の基地局を経由せずに衛星同士で通信を中継できる機能の強化も図られています。同社はこの新型衛星群を活用することで、離島や山間部など地上インフラが届きにくい地域での通信サービス提供を加速させたい考えです。
同社は6月に大型の新規株式公開(IPO)を果たしており、今回はその上場後初めての飛行試験となりました。搭載されたラプター3エンジンは2026年5月の第12回飛行試験に引き続き、ブースターと宇宙船の全機に採用されています。試験飛行に先立ち、同社は打ち上げ日程を当初の予定から数回延期しており、機体の最終点検や気象条件の確認に時間を要していたことも明らかになっています。
ブースターの着水は「想定より強く」、来年に向け改善続く
一方、ブースター「スーパーヘビー」の着水についてはスペースXが課題を明らかにしています。打ち上げから約7分後、降下し着水に向けた逆噴射を行う中で、ブースターの複数のエンジンが再点火に失敗し、メキシコ湾への着水は想定より強い衝撃となりました。5月の第12回飛行試験でも同様にエンジンの再点火不良が発生しており、着水の精度向上が今後の課題として残っています。同社の広報担当者は生中継の中で、より柔らかな着水を目指していたものの、実際には相当な速度が残った状態での着水になったと説明しています。
同社は2026年末までにスターシップを用いてスターリンクV3衛星網を拡張し、通常の携帯電話が通信圏外でも衛星に直接接続できるサービス容量の追加を目指すとしています。次回以降の飛行試験では、海上でのロケット回収の実現に向けたデータ収集が進められる見通しです。


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