住友金属鉱山が10倍増益、純利益5兆円のソフトバンクGは18位。記録的株高の裏で躍進する「純利益成長率」トップ20

日経平均株価が6月18日に初めて7万円を突破しました。一時は中東情勢への警戒感から値下がりする場面もありましたが、7月6日には一時7万円を超えて推移しています。
市場をけん引しているのは主にAI、半導体関連銘柄。東芝の半導体部門を分社化したキオクシアホールディングスや、イギリスの半導体設計大手Armホールディングスを傘下に収めるソフトバンクグループ、電子部品大手村田製作所、マイコン分野の世界大手ルネサスエレクトロニクスなどです。
一方、インフレや円安の進行で、日本企業の稼ぐ力が高まっているのも事実です。成長への期待感が海外投資家などからの資金を呼び込んでいる面もあります。
この記事では、直近通期の純利益が大きく伸びたプライム市場の上場企業に注目。伸び率の高かった会社をランキング形式でまとめました。記事の後半では大幅な増益となっている企業をピックアップし、その背景も解説します。
※ランキングは2026年7月6日時点のデータを集計したものです。
<目次>
プライム市場上場企業「純利益成長率」トップ20
| 順位 | 証券コード | 企業名 | 純利益成長率(倍) | 直近通期純利益 | 決算月 |
| 1 | 5713 | 住友金属鉱山株式会社 | 10.7倍 | 1763億円 | 2026年3月期 |
| 2 | 4310 | 株式会社ドリームインキュベータ | 9.4倍 | 15.9億円 | 2026年3月期 |
| 3 | 6480 | 日本トムソン株式会社 | 7.3倍 | 40.7億円 | 2026年3月期 |
| 4 | 5195 | バンドー化学株式会社 | 7.1倍 | 105億円 | 2026年3月期 |
| 5 | 1833 | 株式会社奥村組 | 6.7倍 | 183億円 | 2026年3月期 |
| 6 | 6976 | 太陽誘電株式会社 | 6.4倍 | 148億円 | 2026年3月期 |
| 7 | 6817 | スミダコーポレーション株式会社 | 6.1倍 | 109億円 | 2025年12月期 |
| 8 | 6971 | 京セラ株式会社 | 5.9倍 | 1409億円 | 2026年3月期 |
| 9 | 4503 | アステラス製薬株式会社 | 5.7倍 | 2915億円 | 2026年3月期 |
| 10 | 3101 | 東洋紡株式会社 | 5.6倍 | 111億円 | 2026年3月期 |
| 11 | 5702 | 株式会社大紀アルミニウム工業所 | 5.3倍 | 36.8億円 | 2026年3月期 |
| 12 | 5110 | 住友ゴム工業株式会社 | 5.1倍 | 503億円 | 2025年12月期 |
| 13 | 5142 | アキレス株式会社 | 5.0倍 | 21.2億円 | 2026年3月期 |
| 14 | 7893 | 株式会社プロネクサス | 4.7倍 | 21.1億円 | 2026年3月期 |
| 15 | 2594 | キーコーヒー株式会社 | 4.6倍 | 9.9億円 | 2026年3月期 |
| 16 | 2220 | 亀田製菓株式会社 | 4.6倍 | 246億円 | 2026年3月期 |
| 17 | 4506 | 住友ファーマ株式会社 | 4.5倍 | 1068億円 | 2026年3月期 |
| 18 | 9984 | ソフトバンクグループ株式会社 | 4.3倍 | 5兆円 | 2026年3月期 |
| 19 | 2264 | 森永乳業株式会社 | 4.1倍 | 225億円 | 2026年3月期 |
| 20 | 5938 | 株式会社LIXIL | 4.1倍 | 81.4億円 | 2026年3月期 |
ニッケル価格の下落の影響をうけた住友金属鉱山

ランキングの1位は住友金属鉱山で、純利益はおよそ11倍に急拡大しています。住友金属鉱山は大規模な鉱山開発などから電池の材料などの生産までを手掛ける企業。電気自動車やハイブリッド自動車の電池の原料生産に強みを持ち、高いシェアを獲得しています。
純利益の急拡大には理由があります。住友金属鉱山は2025年3月期にニッケル製錬子会社であるフィリピンのコーラルベイニッケルの減損損失512億円を計上しました。減損損失とは、子会社や保有する資産などに対して、足元の収益性を見直して正しい価値へと評価し直す会計処理のことです。
その結果、住友金属鉱山は2025年3月期に製錬セグメントにおいて71億円を超える赤字を出していました。一般的に減損損失の計上は償却負担が軽くなるため、会計処理をした翌期は利益が向上する傾向があります。2026年3月期は915億円の利益を出しました。
また、住友金属鉱山が強みを持つ銅は、AIのデータセンターや電気自動車、再生可能エネルギーの発電所、送電網などで強い需要が見込まれます。世界的な需要増の追い風も好業績に影響していると言えるでしょう。
付加価値の高い提案をするキーコーヒー

ランキングの15位にはキーコーヒーが入っています。2026年3月期の純利益は前期の4.4倍となる約9.9億円に増加しました。
市況の情勢はキーコーヒーにとって良好とは言えません。コーヒー豆の相場が高騰していることに加え、円安の進行による国際的な購買力が低下しているからです。円安は輸出企業には有利に働きますが、キーコーヒーのように原材料を輸入に頼る企業には逆風となります。
しかし、利益が大幅に増加しました。これには2つの理由があります。まず、業務用と家庭用の両方で価格改定を実施。原材料費高騰の影響を吸収した結果、主力のコーヒー関連事業の2026年3月期における営業利益は前期の1.8倍に増加しました。
2つめの理由は高付加価値商品の販売を強化したことです。業務用の領域ではプレミアムコーヒーである「トアルコ トラジャ」や氷温熟成珈琲や環境配慮型コーヒーの販売に力を入れており、業務用コーヒー市場における競争力を高めています。
家庭用の領域では最短10秒で抽出可能な簡易抽出型コーヒー「KEY DOORS+ JET BREW」を開発。タイムパフォーマンスを求める消費者ニーズに応える製品を投入しています。
2025年7月には京都市内に喫茶店を展開するイノダコーヒを買収しました。イノダコーヒは1940年に創業した老舗の喫茶店で、全国に9店舗を展開しています。キーコーヒーは成長投資も積極的に進めています。
OpenAIへ追加出資をしたソフトバンク

ランキングの18位にはソフトバンクグループ(以下ソフトバンク)が入りました。2026年3月期の純利益は国内の上場企業として過去最高となる5兆円を突破しました。
ソフトバンクは投資事業の収益が非常に大きいです。そのため、投資先の企業価値が下がると利益が減り、投資先の企業価値が上がると利益も増えるという収益構造をしています。
たとえば、2022年以降は、アメリカの急速な金利上昇を背景に投資していたスタートアップの株価が低迷。2022年3月期に1.7兆円、2023年3月期に9700億円の純損失を計上しています。この損失は出資していた中国のアリババ株の売却によって補填しました。
ソフトバンクはOpenAIの出資に力を入れています。2026年2月27日にOpenAIに約4.7兆円の追加出資を決定。さらに7月1日には1.6兆円を追加で出資したと発表しました。
今回のランキングの利益を見てみると、半導体設計のArmホールディングスの時価総額が上昇していることに加え、OpenAIの評価額が上がった影響が大きいと考えられます。
OpenAIは6月にIPO申請観測が浮上しました。ただし、上場時期を2027年に延期する可能性も報じられています。上場することになれば高騰する銘柄へ成長する可能性は高いと言えるでしょう。このような予測がソフトバンクの業績にも好影響を与えています。

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