
SK株式を財産分与の対象に含めるかどうかが焦点だった崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長の離婚訴訟で、ソウル高裁は24日、差し戻し審の判決を言い渡しました。元妻で盧泰愚元大統領の娘である盧素英(ノ・ソヨン)氏へ、9440億ウォン(約1060億円)を支払うよう命じています。
裁判所はSK株式についても財産分与の対象と判断し、長期化してきた「世紀の離婚訴訟」は大きな節目を迎えています。分与の割合は盧氏3分の1、崔氏3分の2と定められました。2024年5月の2審が示した1兆3808億ウォンからは減額されたものの、なお過去に例の少ない巨額の分与命令です。
夫婦は1988年9月に結婚しましたが、崔氏は2015年に婚外子の存在を告白。関係は一気に悪化し、2017年の離婚調停不成立を経て訴訟へと発展しました。当初離婚を拒んでいた盧氏も、2019年12月には一転して反訴に踏み切っています。
財閥トップの離婚と企業支配の問題が重なる今回の訴訟は、単なる夫婦間の争いにとどまらず、財閥と家族、企業統治の関係まで問い直す案件として韓国社会の関心を集めてきました。盧氏は現在、メディアアート専門の美術館「アートセンター・ナビ」の館長を務めています。判決が確定した翌日から完済まで、年5%の遅延利息を支払うよう命じられている点も見逃せません。
審理は長い道のりをたどりました。2022年12月の1審はSK株式を分与対象外とし、慰謝料1億ウォンと財産分与665億ウォンの支払いを命じる内容でした。しかし2024年5月の2審は判断を覆し、SK株式を分与対象に含めたうえで盧泰愚氏側の資金提供を盧氏の貢献と認定し、慰謝料は20億ウォンに、分与額は1兆3808億ウォンへ膨らみました。
これを不服とした崔氏側の上告を受け、大法院(最高裁に相当)は離婚の成立自体と慰謝料20億ウォンの支払いを確定させる一方、財産分与部分のみ差し戻しています。今回はその差し戻し審にあたる判決です。
財閥支配と家族関係
この訴訟は、韓国の財閥支配のあり方や、企業資産に対する家族の貢献をどう評価するかという点でも注目されてきました。韓国メディアは「世紀の離婚」として連日報じており、判決のたびに企業経営への影響や資金手当てにも関心が集まっています。
離婚そのものはすでに確定済みのため、今回の判断によって訴訟は大きな節目を迎えましたが、双方が不服とすれば大法院へ再上告する余地も残っており、完全な終結時期はなお見通せません。金額の大きさも異例といえるでしょう。
今後は、実際の支払い方法やSKグループ側の対応が焦点になりそうです。韓国社会では、司法判断が財閥の私的関係と企業価値にどこまで踏み込めるのかという点にも、議論が広がっています。












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