
プルデンシャル生命保険が、営業社員の報酬制度を大きく見直す方針を固めたことが分かりました。同社では過度な成果主義に近い「フルコミッション」型の報酬体系が不正の一因になったとされており、月額35万円程度の「最低報酬」を新たに設ける方向で調整が進んでいます。
関係者によると、得丸博充社長らは6月にオンラインで全国の支社の営業社員に対し、この方針を説明したとされています。新制度では、毎月の報酬が35万円に届かない場合、その差額を会社側が補塡する仕組みが導入される見通しです。あわせて、新規契約の獲得時に多く支払われていた報酬を減らし、契約を長期間継続させた場合の報酬を厚くする方向へ改める方針も示されました。目先の契約件数を追う営業から、顧客の利益を重視した営業への転換を促すことが狙いとみられます。
ただし、説明会では会社側から社員に対し「スマホを置いて。撮影禁止です」と伝えられ、資料も配布されなかったとされています。重要な制度変更であるにもかかわらず情報統制が徹底されたことに、出席した社員の一人は本社の対応に驚きを隠せなかったと明かしています。
この報酬制度の見直しは、同社で相次いで発覚した営業社員による金銭詐取問題への対応の一環です。プルデンシャル生命保険は2026年1月、営業社員ら約100人が顧客約500人から総額約31億円をだまし取るなどの不適切な行為をしていたと発表し、当時の間原寛社長が辞任する事態となりました。その後も新規契約の販売活動の自粛を続けており、当初90日間としていた自粛期間は180日間に延長され、11月5日まで販売を控える方針が示されています。
被害総額は約39億円に拡大、根本解決には疑問の声も
被害の規模はその後も拡大を続けています。同社は2026年7月、新たに顧客125人から計7億9000万円の金銭詐取が判明したと発表し、これまでの判明分と合わせた被害総額は約39億円に達しました。調査は継続中で、今後さらに被害が膨らむ可能性も指摘されています。
一連の不正について、契約を思うように獲得できない社員が生活に困窮し、不正行為に及んだとの見方もあります。しかし、新たな報酬制度でも営業活動に伴う飲食費や交通費などは社員の自己負担のままとされ、月35万円の最低保証だけでは生活の困窮状態が解消されず、問題の根本的な解決にはつながらないと疑問視する声も社内から上がっています。同社は4月の会見でも、報酬制度や行動管理プロセス、組織体制の三つの観点から再発防止策を進める方針を示していましたが、今回の最低報酬制度の導入は、その具体策の一つとして位置づけられそうです。












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