
韓国の半導体大手SKハイニックスが7月29日に発表した2026年4-6月期決算は、営業利益が前年同期比557%増の60兆5400億ウォンとなり、過去最高を記録しました。売上高も79兆3200億ウォンに達しましたが、いずれも市場予想平均には届きませんでした。これまで半導体市場を牽引してきたAIブームの減速懸念が強まっています。
こうした過熱感への警戒を背景に、同社は6月以降で5000億ドル超の時価総額を失い、株価は6月に付けた過去最高値からおよそ45%も下落しました。28日の株式市場では15%近く下落し、サムスン電子などの他の半導体関連株とともに、韓国株式市場全体を揺るがす事態となっています。
この歴史的な株価急落の引き金の一つとなったのが、米IT専門メディア「ジ・インフォメーション」が27日に報じた中国の半導体技術に関するニュースです。報道によると、中国・上海の政府系企業である上海宇量昇科技などが、先端半導体の製造に不可欠な液浸型深紫外線(DUV)露光装置の国内生産を開始しました。これまでオランダのASMLホールディングが事実上独占してきた分野において、市場の予想を上回るペースで中国の半導体自給自足が進展していることが明らかになりました。
この技術的ブレイクスルーにより、メモリー半導体価格の上昇を嫌気する顧客が、利用を抑えて安価な中国製の代替製品へ切り替えるリスクが意識されています。さらに、パソコンやスマートフォンの生産削減につながるとの警戒感が高まっており、投資家の慎重姿勢が急速に強まっています。
レバレッジ型ETFへの資金集中と韓国当局の規制強化
米国ナスダック市場での米国預託証券(ADR)上場により、SKハイニックスの株価動向は世界の投資家にとって一段と重要な指標となりましたが、同社株への直接投資需要を取り込む目的で、米国市場では関連商品の設定準備が進められています。
さらに市場の変動性を極端に増幅させているのが、同社株価に連動するレバレッジ型上場投資信託(ETF)の存在です。日々の値動きの2倍の収益を目指す商品などに個人投資家の資金が集中した結果、株価下落時に大規模な売りが売りを呼ぶ悪循環が発生しています。この異常なボラティリティを受け、韓国の金融委員会(FSC)は市場環境が安定するまで、サムスン電子とSKハイニックスに連動する個別銘柄のレバレッジ型ETFの新規上場を一時停止する規制強化に踏み切りました。
エヌビディア製チップを支える高帯域幅メモリー(HBM)の最大供給企業として恩恵を享受してきた同社ですが、巨額のAIインフラ投資が現在のバリュエーションを正当化できるかどうかが、今後の最大の焦点となります。












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