米スペースX株がIPO価格を20%下回る乱高下 時価総額1.2兆ドル消失と割高感への警戒

米実業家イーロン・マスク氏が率いる米宇宙開発企業スペースXの株式が7月28日のニューヨーク市場序盤から急売され、新規株式公開(IPO)時の公募価格である1株135ドルを20%下回る展開となりました。株価は一時、前日比5.7%安の107.01ドルまで急落しました。同社の時価総額は、6月16日に記録したピーク時の2.1兆ドル(約336兆円)から1兆2000億ドル(約200兆円)以上消失しており、市場における過去最大級の急減となっています。
同社は2026年6月12日に米ナスダック市場へ上場し、史上最大規模となる約750億ドル(約12兆円)の資金を調達しました。上場初日には150ドルの初値をつけ、直後に225.64ドルの最高値を更新するなど市場を席巻しました。マスク氏の個人資産も1兆ドル(約160兆円)を超え、世界初の「トリリオネア」として注目を集めました。
しかし、ハイテク株全般に対するリスク回避の姿勢が強まる中で、スペースXの収益性や株価の割高感に対する警戒感が急速に表面化しました。同社は再利用ロケット事業や衛星通信網スターリンク、AI開発企業xAIを擁しますが、年間売上高は186億ドルにとどまり、スターリンク以外の部門は赤字が続いています。市場関係者からは「会社の実力以上にマスク氏への期待感が先行していた」との指摘がなされています。
ネット上では、「急騰後の調整は避けられない」「将来性は高くても実体業績に対して株価が割高だった」「今後の大型IPO市場全体に冷や水が浴びせられた」といった批判や懸念の声が広がっています。
未上場AI企業のIPO戦略に波及する懸念と今後の展望
スペースXの株価急落と時価総額の縮小は、未上場の大手AI企業やテクノロジー企業による今後の上場計画にも多大な影響を及ぼしています。市場における高リスク株忌避の動きや実体業績重視の姿勢が強まったことで、年内のIPOを検討していた米オープンAIや米アンソロピックなどの大型IPO案件の先行きに暗雲が立ち込めています。海外メディアによると、すでにオープンAIは、上場時期を2027年へと延期することを検討していると報じられています。
今後スペースXが投資家の信頼を回復し株価を好転させるには、宇宙空間でのAIデータセンター構築や大型宇宙船スターシップによる月・火星探査の進展とともに、黒字化に向けた収益基盤の強化を証明することが急務となります。同社が期待先行のバブル脱却を果たし、持続可能な事業成長を示せるかが今後の焦点です。








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