
市場がエルニーニョ現象の拡大を警戒しています。東南アジアやインドなどでは少雨や高温の影響が広がり、コメや砂糖、カカオを中心に供給不安が強まっています。とくに2026年が強い「スーパーエルニーニョ」になるとの見方が出る中、足元の原油高も重なり、世界の食料インフレが再燃するリスクが意識されています。
タイでは、年初から4月までの累積降雨量が平年より大幅に少なく、干ばつ懸念が高まっています。タイ産米の輸出価格は上昇しており、6月下旬には1トン490ドルと年初比で27.2%高い水準となりました。
インドでも降雨不足が懸念されています。インド気象局は6月の降雨量が長期平均を40%下回ると予想し、7月も平年を下回る見通しを示しました。これを受け、インド産の砕米パーボイル米の価格も上昇し、10カ月ぶりの高値を付けています。
砂糖とカカオにも波及
エルニーニョの影響は砂糖市場にも及んでいます。インド商工省は砂糖の輸出を2026年9月末まで禁止し、国内供給の逼迫に対応すると決めました。これにより国際市場の粗糖先物は上昇し、年初来安値から約16%切り返しています。
カカオでも、西アフリカの減産懸念が価格を押し上げています。ロンドン先物は一時、8カ月ぶりの高値を付け、年初来安値から2.4倍の水準まで上昇しました。干ばつや高温が重なれば、供給過剰だった市場が一気に引き締まるとの見方が広がっています。
影響は農産品にとどまりません。中南米では海水温上昇によりカタクチイワシの漁獲減少が見込まれ、養殖用魚粉の原料不足につながる恐れがあります。日本の養殖業にも、餌代の上昇という形で波及する可能性があります。
各国は備蓄や灌漑整備、干ばつに強い品種への転換を進めていますが、過去のエルニーニョが大きな食料危機を招いただけに、今後の天候と相場の動向が注目されます。






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