
7月30日未明、ロシア軍によるウクライナへの大規模な攻撃が行われている最中、隣国であるポーランド東部の無人地帯にミサイルが落下する事案が発生しました。落下現場はウクライナ国境から約80キロメートル離れたルブリン県の農地で、地面にはミサイル着弾による爆発で生じたとみられる直径約10メートルの巨大なくぼみが確認されています。
ポーランド軍の発表によれば、同日未明に未確認飛行物体が領空へ侵入したことを防空レーダーが探知し、直ちにF16戦闘機を緊急発進させて追跡を試みましたが、その後物体はレーダーから消失したということです。事態を受けてポーランドのドナルド・トゥスク首相は緊急の記者会見を開き、現場の状況証拠や回収された残骸の分析から、落下した飛翔体はロシアの巡航ミサイル「Kh101」である可能性が高いとの見解を示しました。トゥスク首相は「差し迫った脅威はなかった」と述べ、意図的な標的とされた可能性は低いとしつつも、軍当局による詳細な調査を継続していく姿勢を強調しています。
幸いにも、今回の着弾によるけが人や建物の被害は確認されていませんが、加盟国への領空侵犯は周辺地域に深刻な緊張をもたらしています。ロシア軍は29日深夜から30日にかけて、国境に近いウクライナ西部などをミサイルやドローンで激しく攻撃しており、その一部がそれて越境したとみられます。トゥスク首相と協議を行った北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長は、「ロシアによる新たな無謀な行為であり、ウクライナに対する戦争がもたらした危険な影響の表れだ」と強く非難しました。さらに、ドイツやデンマークの首脳らも相次いで非難声明を出しており、同盟国の防衛力を一層強化していく方針です。
情報戦への警戒も強化、フランスは親露コメンテーターに出国命令
ロシアの軍事行動に伴う脅威は、物理的なミサイル攻撃だけにとどまらず、情報戦の分野でも欧州各国に深刻な影響を及ぼしています。フランスの内務省は29日、同国のテレビやラジオ番組を通じてロシアのプロパガンダを積極的に拡散しているとして批判を浴びていたロシア人コメンテーター、クセニア・フェドロワ氏に対して出国命令を出したと発表しました。
2022年のロシアによるウクライナへの全面侵攻開始以降、ヨーロッパ各地の同盟国では親露的な偽情報の拡散や世論操作に対する警戒が急速に強まっており、今回のフランス政府による厳しい措置もその防衛策の一環と位置付けられています。ポーランドへのミサイル落下といった軍事的な直接の脅威への対処と同時に、メディアを利用した目に見えない形での社会介入に対しても、ヨーロッパ連合(EU)全体が毅然とした対応を迫られる複雑な状況に直面しています。言論を重んじる国々においても、安全保障上の脅威となる情報工作には強い姿勢で臨む方針が明確に示されました。












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