
カンボジアを拠点とし、アジア最大級の国際犯罪組織と目される中国系複合企業「プリンス・ホールディング・グループ」を巡り、各国の捜査当局による包囲網が急速に狭まっています。カンボジア政府は2026年1月7日夜、同グループの創業者であり大規模な特殊詐欺に関与しているとされる中国人のチェン・ジー(陳志)氏ら3人を拘束したと発表しました。この拘束は、カンボジアと中国の当局が数か月にわたって実施した共同捜査の実績であり、1月6日に拘束された同氏らは、すでに中国側へ身柄を引き渡されています。また、これに伴いチェン氏が保有していたカンボジア国籍も剥奪されたことが明らかになっています。チェン氏らはカンボジア国内でカジノ運営や大規模なオンライン詐欺拠点を形成し、違法な労働を強いるなど多くの犯罪行為に関与した疑いが持たれており、中国の公安当局なども重大な関心を持って捜査を継続していました。
チェン氏は不動産開発などで自らのグループを急成長させ、カンボジアのフン・セン前首相や長男のフン・マネット首相の私設顧問を務めたとされるなど、政財界に強い影響力を持っていました。しかしその裏では、莫大な収益を上げる犯罪ネットワークの温床であったと指摘されています。米国および英国の両政府は2025年10月、特殊詐欺や資金洗浄などで莫大な収益を得ているとして、チェン氏や関連企業に対して経済制裁を科すと発表していました。また、日本を含めたアジア各地の捜査当局も、同グループの資金洗浄に関わる関連資産の差し押さえや関係者の摘発を水面下で進めており、国際社会全体で強い圧力をかけている状況です。
一連の動向を整理すると、カンボジアを拠点として特殊詐欺や資金洗浄に深く関与し、米英両国から厳しい経済制裁を受けているプリンス・グループと、その首謀者として拘束され中国へ身柄を移送されたチェン・ジー氏のみならず、同グループの最高幹部とみられ、虚偽の転入届および在留カードの不正使用の疑いで日本の警察に逮捕されたキプロス国籍のフー・シー(胡茜)容疑者など、関連する人物や組織に対する包囲網は世界中で確実に狭まっています。このような多国間連携による厳格な追及を背景に、犯罪組織のトップが法的裁きを受ける状況が整いつつあります。同グループが関与したとされる多くの犯罪行為について、今後は中国当局の主導で本格的な裁判や実態解明が進められることが大いに期待されています。これ以上の被害拡大を防ぐためにも、カンボジア国内に残存する関連拠点や資金ルートの全容解明が不可欠です。
日本での永住を画策 都内で進む関連幹部の逮捕と資金洗浄の実態
事態は日本国内にも大きく波及しています。警視庁は2026年6月から7月にかけて、プリンス・グループの最高幹部とみられるキプロス国籍のフー・シー容疑者(44歳)らを電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑などで相次いで逮捕しました。フー容疑者は東京都中央区のマンションに居住実態がないにもかかわらず虚偽の転入届を区役所に提出したほか、2026年4月以降には仲間の男に自身の在留カードを渡してなりすまさせ、印鑑登録の手続きを不正に行わせた疑いが持たれています。
同容疑者は都内の貿易会社の代表取締役に就いており、会社経営者として2028年までの5年間の在留資格を得ていたとみられます。その後の調べに対し、同容疑者は「外国では身の危険を感じる」などと供述しており、安全な日本での永住権取得を周到に計画していたことが判明しています。日本への出入国を頻繁に繰り返していた形跡もあり、警視庁は犯罪収益の資金洗浄目的で日本の不動産市場が悪用された可能性も視野に入れ、国内での詳しい活動実態の解明を急いでいます。












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