
韓国株式市場の混乱が続いています。総合株価指数(KOSPI)は6月に付けた取引時間中の高値(9,114)から、7月29日には約38%下落しました。7月の月間下落率は最大30%超と、1997年のアジア通貨危機や2008年の世界金融危機時を上回る過去最大級の下げとなりました。
29日にはSKハイニックスが市場予想に届かない決算を発表し、AI投資ブームへの過熱懸念が強まったことも売りに拍車をかけています。これを受け韓国政府は同日夜、具潤哲副首相兼企画財政相が主催する緊急会合を開き、追加の市場安定策を打ち出しました。ただ投資家の間では、根本的な問題に踏み込まない「弥縫策」との受け止めが根強く、次の一手を探る観測が広がっています。
上半期に2倍超へ急騰したKOSPIでは、借金を利用して株式を購入する個人投資家、いわゆる「ピトゥ」が急増し、1日当たりの売買代金は平均62兆ウォンと過去最大規模に膨らんでいました。野党議員からはレバレッジETF導入を金融当局の「人災」と批判する声が上がり、財政相への辞任要求も出るなど、政治的な責任論が強まっています。
市場全体の取引を一時停止する「サーキットブレーカー」は、7月だけで複数回発動されました。28日と29日には2営業日連続で発動し、制度導入以来初めての事態となりました。市場関係者の一部からは、今回の急落を受け空売り規制の再導入が検討される可能性も指摘されていますが、海外投資家の信認を損ねるとの慎重論も出ています。
世界最大級の年金基金である国民年金公団(NPS)の動向にも関心が集まっています。NPSは国内株式の配分目標を14.4%から14.9%へ引き上げ、外国株投資を計画より縮小するなど、政府の方針に沿った対応を取りました。急落局面でも年金基金は国内株を買い越し、大規模売却の観測を打ち消しています。翌30日にはサムスン電子の好決算も追い風となり、下落幅は縮小しました。
レバレッジETFと信用取引規制が焦点
特にやり玉に挙がっているのが、サムスン電子やSKハイニックスなど大型半導体株に連動するレバレッジETFです。対象株の値動きを2倍に増幅する仕組みで、5月の導入以降、相場のボラティリティー拡大の一因になったとの指摘が出ています。
金融当局は7月16日付で新規上場を一時停止し、最低預託金を1000万ウォンから3000万ウォンへ引き上げる規制を決めていましたが、当初8月5日としていた実施時期を31日に前倒ししました。29日発表の追加策では、個人投資家がレバレッジ型商品に投資できる上限の設定や、取引コストの引き上げも検討課題に挙がっています。
株価下落時に追加証拠金が発生し、強制的な反対売買を招く信用取引についても、値動きを増幅させているとの指摘が出ています。当局はレバレッジ型ETFについて、市場が落ち着きを取り戻さない場合、倍率の引き下げなど一段の規制強化も検討する構えです。












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