
半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスが2026年7月31日に発表した2026年4~6月期決算(国際会計基準)で、純利益が前年同期の約46倍にあたる8421億円となったことが分かりました。売上収益は前年同期比415.5%増の1兆7671億円、営業利益は同2728.6%増の1兆2700億円となり、いずれも過去最高を記録しました。同社は5月時点で純利益8690億円という予想を示していましたが、今回の実績はこれをわずかに下回る結果となりました。
好業績の背景には、生成AI(人工知能)の急速な普及に伴うデータセンター建設の世界的な拡大があります。データセンターで使用される主力製品「NAND型フラッシュメモリー」の需要が高まり、平均販売価格が大きく上昇したことが増収増益の主な要因です。加えて、ビット出荷量の増加や円安の進行も業績を後押ししました。
同社はこれまでの好調な業績を踏まえ、2026年7~9月期の純利益について前年同期比約31倍にあたる1兆2700億円になるとの見通しを示しています。2026年9月中間期(4~9月)としては前年同期比約36倍の2兆1121億円と、同期間としての過去最高を更新する見込みです。生成AI向けの需要は今後もデータセンター投資の拡大とともに続くと見られており、市場関係者からも高い注目が集まっています。
なお同社は好調な業績を背景に、上限8000億円の自社株買いと1対3の株式分割の実施も同時に発表しました。決算発表当日(31日)の東京株式市場では、米国の半導体株高を背景にキオクシア株が一時ストップ高となる場面も見られました。しかし、取引終了後に発表された実際の純利益は事前の市場予想である9687億円には届かなかったため、発表直後の時間外取引(PTS)では売りが先行する展開となりました。
NAND需要は「まだ立ち上がり」、AI普及で長期成長に期待
好調な業績の背景として、AIサーバー向けを中心としたNAND需要の拡大が挙げられます。データセンター事業者との間で長期の供給契約を結ぶ取引先も増えており、安定的な需要基盤が構築されつつあります。同社は自律的に判断・行動する「エージェンティックAI」の普及拡大が今後のNAND需要をさらに押し上げるとの見方を示しており、現在の需要拡大は成長の初期段階にすぎないとの認識を示しています。
一方で、直近の四半期実績が会社自身の事前予想や市場予想を下回ったことから、急速な業績拡大の裏でコストや需給バランスの変化を注視する必要性も指摘されています。今後の四半期決算でも、データセンター投資動向やNAND価格の推移が業績を左右する重要な指標となりそうです。







-e1785449662554-150x112.jpg)




-300x169.jpg)