
セブン銀行が、小売企業との連携を通じて自社を中心とした「経済圏」の構築を目指す方針であることが分かりました。2027年度をめどに、コンビニやスーパーなど小売企業向けに口座や決済といった銀行機能を提供する見込みです。候補に挙がっているのは、セブン‐イレブン・ジャパンやファミリーマート、イトーヨーカ堂などです。
銀行機能を外部企業に提供する仕組みは「BaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)」と呼ばれます。提供先の小売企業は自ら銀行免許を取得することなく、独自ブランドの「銀行」サービスを比較的手軽に立ち上げられるのが特徴です。具体的には、アプリと一体化した決済機能やポイント付与サービスなどの提供が可能になるとみられています。
銀行がシステムを外部提供する動きは大手行の間でも広がっており、三菱UFJ銀行が投資信託や保険販売のシステムを他社に外販する取り組みを進めるなど、BaaSは銀行業界全体で存在感を増しています。
小売企業側のメリットは、決済データと購買情報を組み合わせられる点です。これにより、顧客の購買傾向に応じた効率的な販促活動を展開しやすくなります。交通系や通信系の事業会社が先行してきた「金融と本業の融合」の流れが、今回の取り組みで小売業界にも広がる形です。
セブン銀行側にも狙いがあります。提携先の小売企業を通じて新規顧客の獲得を促し、口座数や預金残高の拡大につなげたい考えです。全国2万8000台以上に上る自社ATMのネットワークを活用し、本人確認から口座開設手続きまでを一括して完結できる点は、セブン銀行ならではの強みになりそうです。
株式市場も好感、小売との連携拡大に期待
この方針が報じられたことを受け、セブン銀行株は29日、4営業日続伸し年初来高値を更新しました。市場関係者の間では、小売企業の顧客基盤を取り込むことで、口座数や会員数の積み上げが進むとの期待が広がっています。
具体的な提携交渉の相手としては、セブン‐イレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂、ヨークベニマルなどが挙がりました。将来的には、ファミリーマートなど他のコンビニやスーパーへも提携の枠を広げる余地があります。
銀行免許を持たない小売企業でも銀行と同様のサービスを自社の顧客に提供できるようになるこの取り組みは、決済やポイントサービスを巡る小売業界の競争構図を変える一因になりそうです。今後、正式な提携発表や具体的なサービス内容が明らかになるか、注目が集まります。





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