
インターネット銀行大手の住信SBIネット銀行は8月3日、関係当局の認可を経て社名を「ドコモSMTBネット銀行」に変更し、新体制での業務を本格的に開始しました。個人向けサービスのブランド名も「ドコモの銀行」へと刷新されています。今回の再編に伴い、NTTドコモと三井住友信託銀行が追加出資や株式譲渡を実施しました。これにより出資比率は、これまでの約66%からドコモが約55%へ、約34%であった三井住友信託銀行が約45%となりましたが、議決権比率は50対50に調整され、両社が対等な立場で経営を牽引する共同経営体制が確立しています。
携帯電話市場の成長が頭打ちになる中、通信キャリア各社は金融サービスを軸とした独自の「経済圏」構築を急いでいます。KDDIやソフトバンク、楽天などが先行するなか、ドコモは銀行業への参入において最後発となります。この遅れを挽回するための鍵となるのが、全国に広がる強固な実店舗のネットワークです。ドコモは2030年度にかけて、全国のドコモショップなど対面拠点を現在の5倍超へと大幅に拡大する計画を打ち出しています。年内には対象店舗を1000店まで広げ、最終的には1500店舗超の有人店舗で、口座開設のサポートや住宅ローンの相談などを展開する予定です。
また、金融サービスとの連携による強力なポイント還元も大きな武器となります。新たに提供が開始されるdアカウントとの連携機能を利用し、dカードの引き落とし口座を同銀行に設定することで、初年度の還元率が最大3.0%に上昇します。さらに傘下のマネックス証券との連携を加えると、街での買い物におけるポイント還元率が最大4.5%に達するなど、グループ全体でユーザーを囲い込む姿勢が鮮明になっています。
顧客獲得を狙う大型還元とユーザーの声に応える柔軟な対応
新ブランドの提供開始に合わせて、8月3日から大規模な顧客獲得キャンペーンが展開されています。「ドコモの銀行誕生祭」と銘打ち、預金残高を増加させたユーザーを対象に最大10億円相当のdポイントを山分けして進呈するほか、新規の円定期預金(6カ月もの)には年1.25%という特別金利が適用されます。
一方で、ブランド刷新に伴うアプリアイコンのデザイン変更に対して、既存の利用者からインターネット上で賛否両論の意見が相次ぐ事態も起きました。これを受け、同社は利用者の要望を速やかに踏まえ、2026年9月末頃を目途に従来の「d NEOBANK」アイコンも選択できるようシステムを改修すると発表しました。機能面での変更はないものの、見た目を元に戻せるこの対応は、顧客中心主義の表れとして評価されています。
すでに同社の住宅ローンは、金利水準や充実した保障内容によりオリコン顧客満足度調査で2年連続総合1位を獲得するなど、確かな実績を持っています。強力な通信基盤と充実した商品力を背景に、ドコモ経済圏のさらなる飛躍が期待されています。










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