
イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXが、世界中に広がる部品調達網から中国関連の要素を徹底的に排除する動きを強めていることが分かりました。複数の関係者の話に基づく報道をによると、スペースXは既存および候補となる供給業者に対して監査チームを派遣し、自社が求める条件が守られているかを確認する体制を敷いているということです。
具体的な条件としては、自社製品を生産する工場内に中国籍の人員を配置しないこと、そして中国企業が製造した設備を使用しないことの二点が挙げられています。調査の対象は工場内の監視カメラやネットワーク機器といった設備にも及び、中国企業が製造したシステムが見つかった場合には交換を求められることがあるとされています。取引を続けたい供給業者にとっては、人員配置や設備調達のあり方を根本から見直さざるを得ない状況となっています。
このように厳格な条件を課す一方で、スペースXは自社で「NCNT」と呼ぶ、中国にも台湾にも依存しない新たな供給網の構築も進めているといいます。この体制は、台湾海峡を巡る緊張が高まった場合に生じかねない部品供給の途絶リスクを、あらかじめ抑えておくことが目的とみられています。地域を問わず幅広い供給網の再編を進めている点に、同社の危機感の強さがうかがえます。
この背景には、米国の安全保障・防衛分野で存在感を高めているスペースXの事業構造があります。同社は米航空宇宙局(NASA)のプログラムや契約にも関与しており、関連する技術は国家安全保障に直結する問題と位置づけられているということです。なお、これらの動きについてスペースX側は現時点で公式な発表を行っていません。商業宇宙分野を主導する企業であっても、コストや効率性より安全保障上の要請を優先せざるを得ない状況が浮き彫りになっていると言えるでしょう。
投資家選別でも中国・香港を排除、安全保障を最優先
スペースXが中国関連リスクの排除を進める動きは、供給網だけに留まりません。今年6月に実施した新規株式公開(IPO)でも、中国本土や香港の投資家からの応募を受け付けないよう証券会社に指示していたことが、で伝えられています。この措置は米国の重要な武器関連技術に関する輸出規制を踏まえたもので、対象地域にはロシアやシリア、レバノンなども含まれていたとされています。
さらに今年2月には、米上院のエリザベス・ウォーレン議員とアンディ・キム議員が、中国の投資家がスペースX株を秘密裏に取得した疑いがあるとして、国家安全保障上の脅威になり得ると米国防総省に調査を求めていたこともが報じています。人員や設備、資本という複数の面から中国関連リスクを取り除こうとするスペースXの姿勢は、米中間の緊張が続く中で一段と鮮明になっています。












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