
激化するハイテク分野の覇権争いを背景に、米連邦通信委員会(FCC)は7月28日、外国製の人型ロボットに関する新規の輸入および販売を禁止すると発表しました。この措置は、主に中国を念頭に置いた安全保障上の対応とみられます。
対象となるのは人型ロボットのほか、四足歩行ロボットや、AIデータセンターの電力インフラ向けインバーターなどの新規モデルです。米国政府は、こうした機器を通じて外国政府が遠隔アクセスやデータ収集を行うリスクを警戒しています。米政府がこうした強硬な規制策に踏み切った背景には、外国政府がこれらの高度なロボットデバイスを悪用して遠隔から不正なアクセスを行ったり、施設内外の機密データを不当に収集・流出させたりする安全保障上のリスクを未然に防ぐ目的があります。
ただし、今回の措置は今後新たに市場へ投入される新規モデルに対してのみ適用されます。すでに公式な認証を取得し、米国内で流通・使用されている既存の製品については、現時点では引き続き輸入や販売が認められる方針です。これにより、国内生産を段階的に促し、重要技術における供給網の脆弱性に対処する狙いが伺えます。
現在のヒューマノイド市場において、中国の存在感は圧倒的です。米調査会社IDCの推計によると、2025年における人型ロボットの世界出荷台数は1万8000台を超え、そのうち中国企業が市場シェアの95%を占めると予測されています。さらに翌2026年に向けても、供給能力の一層の拡大が見込まれています。米国としては、圧倒的なシェアを握る中国製品を国内市場から締め出すことで、自国のロボット産業を保護・育成すると同時に、AIやロボット工学の最前線におけるデータ覇権を死守する姿勢を鮮明にしています。
禁輸措置に対する中国側の猛反発と示唆される報復
米国の新たな輸入禁止措置を受けて、名指しこそされていないものの事実上の最大の標的となった中国側は、直ちに激しい反発を見せています。中国商務省は30日に声明を発表し、米政府の決定に対して「断固として反対する」と強く表明しました。
同省の報道官は、今回の米国の規制措置について「表向きは無差別を装っているが、実際には中国企業と製品に対する差別と抑圧だ」と厳しく非難し、措置の即時撤回を要求しています。同時に、自国の正当な権益を守るために、必要に応じて報復措置を講じることも示唆しました。
これまで通信機器や半導体を中心に行われてきた米中間の技術分野におけるデカップリング(切り離し)は、今や物理的な行動を伴う人型ロボットや、それを支える電力インフラの領域にまで拡大しました。両国間のハイテク覇権を巡る対立は一段と熾烈さを増しており、今後の報復合戦の行方や、それが世界のロボット産業のサプライチェーン全体に及ぼす影響について、国際社会からの注目と警戒感がますます高まっています。












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