
トヨタ自動車が4日発表した2027年3月期の連結業績予想では、純利益が3兆2500億円へと2500億円上積みされました。前期比では15.5%減となるものの、期初時点の「22%減」からは減益幅が縮小しています。背景にあるのは、想定為替レートの円安方向への見直しと、中東向け物流対策の進展です。3期連続の減益という基調そのものは変わっていません。
営業利益予想も、従来の3兆円から3兆4000億円(前期比9.7%減)に引き上げられました。あわせて売上高予想も51兆円から54兆円(前期比6.5%増)に引き上げられ、過去最高となる見通しです。円安進行を受け、前提為替レートは1ドル=160円(従来150円)、1ユーロ=181円(同180円)に修正されています。
トヨタは為替が1円動くと、営業利益が対ドルで約500億円、対ユーロで約100億円変動するとされます。今回の円安方向への見直しは営業利益を4800億円押し上げる効果があり、上方修正の主要因の一つとなりました。
中東情勢に伴う影響も、期初予想から緩和される見込みです。従来、営業利益は中東情勢の悪化により6700億円の減益要因になるとされていましたが、影響額は1600億円圧縮され、5100億円まで縮小する見通しです。中東向け輸出では代替物流ルートの構築が進んだことで、影響を受ける台数の割合が当初想定の「約半分」から「4分の1程度」に縮小する見込みだといいます。
業績予想に反映される通期の連結販売台数は、期初予想から10万台上乗せされ970万台となりました。北米や欧州における堅調な需要に加え、中東向け代替物流ルート構築による販売回復が反映された形です。なお、熊本地震の影響については現在精査中であり、今回の通期予想には織り込まれていません。
4〜6月期は大幅増益、地震影響の精査が今後の課題
同日発表された2026年4〜6月期の連結決算では、純利益は前年同期比75.6%増の1兆4770億円となりました。4〜6月期としては2年ぶりの増益です。売上収益は同10.4%増の13兆5254億円で、5年連続で過去最高を更新しました。
一方、営業利益は同8.8%減の1兆634億円でした。中東情勢の影響が750億円の押し下げ要因となったほか、次世代電気自動車の開発中止に伴う諸経費の増加も響きました。同時に、5億株(発行済み株式数の4.22%)、上限1兆円の自社株買いも発表されています。
ただし、今回の通期上方修正には熊本地震による生産・部品供給への影響が含まれておらず、業績予想は、今後の工場復旧状況によってさらに見直される可能性があります。





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