
アメリカの学校現場で、銃乱射事件への対応策としてドローンを導入する動きが広がっています。開発を手がけるのは、テキサス州オースティンに拠点を置くスタートアップ企業「キャンパス・ガーディアン・エンジェル」で、ウクライナでの軍事作戦で活用されたドローン技術に着想を得ているといいます。
アメリカでは学校での銃乱射事件が長年にわたって深刻な社会問題となっており、事件の多くが警察の到着を待たずに数分のうちに終わってしまうため、被害を防ぎきれないケースが後を絶ちません。そこで開発されたのが、このドローンです。機体はプラスチック製で軽量に設計されており、狭い廊下や教室内でも自由に飛行できる工夫がされています。
機能面での主眼は、容疑者の注意をそらして時間を稼ぐことです。まぶしいストロボライトや耳をつんざくサイレンで動揺させ、屋内では時速最大50マイル(約80キロ)で飛行し、その速度のまま容疑者に体当たりする機能もあります。加えて、オペレーターが内蔵スピーカーで容疑者や現場の教職員と直接会話することも可能です。
導入はすでに具体化しています。フロリダ州で3校、ジョージア州で少なくとも4校、コロラド州で1校が、来る新学期にドローン配備の予定です。フロリダ州のデルトナ高校では、新学期の開始前に39機のドローンを配備する計画です。
同社共同創業者で元軍人のビル・キング氏は、ウクライナ戦争での小型ドローンの有効性を開発の着想としたと説明しており、一度ドローンを向ければ逃げ切るのは不可能だとして、その効果に自信を示しました。
賛否分かれる学校現場
コロラド州ダグラス郡のジョン・アダムズ・アカデミーで校長を務めるサラ・キーゼウェッター氏は、自校が州内で先陣を切ることになったとしても、追随する学校は今後増えていくとの見方を示しました。
一方、この取り組みには慎重な意見も出されています。2018年にフロリダ州のマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の銃乱射事件で14歳の娘を亡くしたトニー・モンタルト氏は、ドローンが校内を常時パトロールしているわけではなく、事態発生後にしか現れない点を問題視しました。同氏は、事後対応の技術だけでなく、事件そのものを防ぐ予防策に力を入れるべきだとの考えを示しています。
アメリカの学校現場では今後も、即応型技術の導入と、根本的な暴力防止策との間でどう優先順位をつけるかという議論が続いていくとみられます。








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