
8月4日の米国株式市場は、幅広い主要企業で構成されるS&P500種株価指数が前日比1.8%高の7736を記録し、6月2日以来となる約2カ月ぶりに過去最高値を更新しました。ダウ工業株30種平均も前日比で907ドル(1.7%)上昇して5万4085ドルとなり、前日に引き続き最高値を更新しています。さらに、ハイテク株の比重が高いナスダック総合株価指数も2.6%高の2万6584へと急騰し、相場全体で強い買い注文が膨らみました。
今回の株高の主な要因となったのは、中東地域における地政学的な緊張緩和への期待感です。米国のベッセント財務長官が米CNBCの番組などのインタビューに応じ、ホルムズ海峡の開放を含めて米国とイランが「今日か明日にも合意に至る可能性がある」との見解を示したことが、投資家心理を劇的に好転させるきっかけとなりました。この外交交渉の前進期待を受け、原油の供給懸念が大きく後退し、米原油先物指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物は一時1バレル75ドル台まで前日比で6%以上急落しました。米メディアの報道などによると、 北海ブレント先物も一時4%超下落し、1バレル80ドルの節目を割り込んでいます。
これまでの米国株相場は、3月下旬を底値に6月初旬にかけて急ピッチで上昇した後、2カ月ほど高値圏での停滞局面が続いていました。しかし、この間も指数ベースの1株当たり利益(EPS)は着実に成長を続けています。ファクトセットの集計によれば、第2四半期決算の利益成長率は前年同期比で47%増という記録的な増益が見込まれています。事前の市場期待も高かった中で、決算を発表したS&P500構成銘柄の約9割がそのハードルを上回る好業績を示しており、市場心理の重荷となっていた中東懸念が払拭されたことで、蓄積されていた業績への評価が一気に株価水準を切り上げる形となりました。
AI・データセンター需要を背景に個別銘柄も急騰、時価総額の牽引役に変化
個別銘柄の好調な決算内容も、相場全体を支える要因となっています。特に、データ分析プラットフォームを提供するパランティア・テクノロジーズは、米国内の商業部門における好調な売上と通期見通しの上方修正が評価され、株価が一時31%(終値ベースで20.9%)高と急騰しました。また、建機大手のキャタピラーも、AI普及に伴うデータセンター向けの大型レシプロエンジンやタービンの販売需要が急増したことで、第2四半期の売上高が前年同期比24%増の205億4000万ドルに達し、株価は一時13%(終値10.7%)の急伸を見せました。
一方で時価総額の変動を見ると、6月2日以降の増加額トップはクラウド事業が好調なマイクロソフト(約3400億ドル増)やアマゾン・ドット・コム(約3000億ドル増)となっています。企業の旺盛なM&Aや堅調な消費者支出を追い風にJPモルガン・チェースなどの金融銘柄も躍進する半面、これまで相場を牽引してきたエヌビディアやマイクロン・テクノロジーなどの半導体銘柄は利益確定売りに押され、時価総額を減らすなど主役の交代劇も垣間見えます。












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