
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2026年8月3日、8月7日に予定していたH3ロケット9号機の打ち上げを延期すると発表しました。種子島宇宙センター(鹿児島県)からの打ち上げ当日、台風13号の接近により天候が悪化する見通しとなったためです。新たな打ち上げ日については、今後の気象状況を見極めながら決定次第公表するとしています。
9号機には、準天頂衛星システム「みちびき」7号機が搭載される予定です。「みちびき」は日本独自の衛星測位システムで、スマートフォンやカーナビゲーションの位置情報精度向上などに活用される見込みです。今回の延期は同機にとって初めてのものではなく、これまでにも複数回の延期を経ています。
もともと9号機は2026年2月1日に打ち上げる計画で準備が進められていましたが、2025年12月22日に発生した8号機の打ち上げ失敗を受けて、2026年1月7日に延期が発表されました。8号機は第2段エンジンの燃焼が予定より早く停止し、搭載していた「みちびき5号機」を目標の軌道に投入できませんでした。JAXAと三菱重工業は原因究明と後続号機への影響評価を優先する必要があるとして、2月3日には打ち上げ予備期間としていた3月31日までの実施を見送ることを改めて発表しています。その後、原因究明作業を経て新たに8月7日の打ち上げ日程が組まれていましたが、今回の台風接近により再度延期となりました。
低コスト化を目指す国産主力ロケット
H3ロケットは、これまで日本の主力機として運用されてきたH2Aロケットの後継機として、JAXAと三菱重工業が共同開発した国産の基幹ロケットです。開発の狙いは打ち上げコストの削減と柔軟な運用体制の確立にあり、政府の衛星や民間の人工衛星輸送などを担う役割が期待されています。
2025年12月の8号機失敗を受け、原因究明の結果を踏まえた対策が講じられたうえで今回の9号機打ち上げが計画されていました。台風の影響という自然条件による延期ではありますが、8号機失敗後初めての打ち上げとなることから、今後の日程発表や打ち上げ結果には引き続き注目が集まりそうです。
種子島宇宙センターは太平洋に面した立地のため、夏場は台風の影響を受けやすく、過去にも台風接近による打ち上げ延期が繰り返されています。今回のように打ち上げ数日前の段階で延期を決定するのは、機体や設備を強風・大雨から保護し、安全な作業環境を確保するための標準的な対応といえます。JAXAは今後、台風の進路や強度を見極めたうえで新たな打ち上げ日を設定し、あらためて公表する見通しです。












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