
フジ・メディア・ホールディングスが8月4日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)の決算で、主力のフジテレビジョンが大きく業績を持ち直したことが分かりました。フジテレビジョン単体は前年同期の217億1300万円の営業損失から黒字に転換しています。
背景にあるのは、前年の一連の事案で落ち込んでいたテレビ広告収入の回復です。タイムやスポット、配信広告まで放送関連収入は軒並み前年同期を上回り、事案前の水準にほぼ戻ったとされています。連結でも売上高は1488億円(前年同期比28.2%増)、営業利益は127億円の赤字から160億円の黒字へ改善し、持株会社制導入後の四半期として過去最高となりました。
広告主の出稿姿勢については、事案直後の2026年3月期第1四半期(2025年4〜6月)に広告収入が急減し、通期予想も赤字へ下方修正された経緯があります。その後はCM取引社数が徐々に戻り、「事案前の9割」程度まで回復していると説明されてきました。フジテレビの地上波広告収入は、ネットタイムが事案前水準を上回り、スポットもほぼ同水準に回復、配信広告収入も大幅増収となっています。
番組制作費はスポーツ中継などの影響で増加したものの、効率化は継続しているとされ、収益構造の改善と広告収入の回復が黒字転換を支えました。博報堂DYホールディングスの2026年4〜6月期決算も営業利益が前年同期比19.4%増の30億1600万円となるなど、広告業界の収益環境を下支えする動きが続いています。
デジタルとアニメが牽引 FOD好調と人気作品でIP戦略を加速
フジテレビの業績を支えたもう一つの柱が、デジタルとアニメを中心とするコンテンツ・ビジネスです。メディア・コンテンツ事業全体の売上高は前年同期比52.4%増の1016億円、セグメント利益は前年の203億円の赤字から90億円の黒字へ転換しました。
FODでは、地上波番組との連動施策や独占配信コンテンツの拡充に加え、2026年2月開始のF1(フォーミュラワン)独占配信効果で加入者が増加し、会員収入が伸びました。外部配信プラットフォーム向けの配信権販売も好調で、デジタル事業収入は前年同期比58.1%増となっています。
アニメ事業では『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 京都動乱』などのアーカイブ作品に加え、『めざましテレビ』内の『ちいかわ』『パペットスンスン』が使用料収入を押し上げ、アニメ事業収入は5.2%増の17億4500万円となりました。
広告収入の回復に加え、こうしたデジタル・アニメ事業の伸長も今回の増収増益を後押しした形です。フジ・メディア・ホールディングスは、広告収入の回復とIP・デジタルを組み合わせた「コンテンツカンパニー」への転換を中長期戦略に掲げています。












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