
広島は2026年8月6日、米国による原爆投下から81回目となる「原爆の日」を迎えました。広島市中区の平和記念公園では、同市主催の「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が営まれ、松井一実市長が2026年の世界情勢を踏まえた平和宣言を読み上げました。
松井市長は宣言のなかで、現在進行形で繰り返されている核を脅しの道具に使った軍事侵攻や、国際法をないがしろにする大国の横暴な振る舞いに言及し、世界の多くの為政者が依然として核抑止力に依存し続けている現状に対して「核兵器のない世界は遠のくばかりだ」と強い危機感を示しました。さらに、今年4〜5月に米国の国連本部で開催された核拡散防止条約(NPT)の再検討会議において、過去2回に続いて成果文書が不採択となった原因は「他国に責任を転嫁し自国の行動を正当化する為政者の言動にある」と厳しく指摘しています。そして、核兵器の非人道性を軽視して自国の繁栄のための武力行使を容認するような姿勢は、人類に「第3のヒロシマ・ナガサキ」の惨劇をもたらしかねないと警鐘を鳴らしました。
具体的な政策への要望として、松井市長は日本政府に対し、2026年11月に開かれる核兵器禁止条約の再検討会議にオブザーバーとして参加し、一刻も早く同条約の締約国となるよう求めました。また、一人一人が暴力を否定し、核兵器廃絶を理想で終わらせないための行動を起こす必要があるとし、特に若い世代に向けて「価値観の異なる人々との国境を越えた交流を深めてほしい」と呼びかけています。日常生活の中でできる平和への実践を通じ、市民社会全体で行動の輪を広げていくことの重要性が改めて強調されました。
深刻化する被爆者の高齢化
被爆から長い年月が経過する中、犠牲者の数は今もなお増え続けています。今年新たに死亡が確認された4393人の名前が原爆死没者名簿に加筆され、これまでに記帳された総数は35万3639人に達しました。名簿は、平和への祈りとともに厳かに原爆慰霊碑の石室へと納められています。
また、3月末時点における被爆者健康手帳を持つ生存者数は9万1105人となっています。生存者の平均年齢が86.66歳と高齢化が進む中、被爆体験の継承は極めて困難な局面を迎えています。記憶の風化を防ぎ、世界に向けて「ヒロシマの心」を発信し続けるためにも、私たち次世代がその役割を担っていくことが急務となっています。












-300x169.jpg)