
韓国警察は8月5日、1980年に起きた民主化運動である「光州事件」の犠牲者や遺族を揶揄し侮辱した疑いで、ソウルにあるスターバックスコリアの本社に対する家宅捜索に入りました。ソウル警察庁が5日朝から実施した今回の家宅捜索は、親会社にあたる新世界グループの監査過程において十分に確認されなかった関連資料を確保し、事の真相を究明することが主な目的とされています。
事の発端となったのは、スターバックスコリアが2026年5月18日に実施した「タンクデー」と称する自社製タンブラーの販売促進プロモーションイベントです。この5月18日という日付は、今から46年前の1980年に当時の軍事政権が戦車(タンク)を投入して民主化を求める市民を武力で激しく弾圧し、多数の死傷者を出した「光州事件」が勃発した歴史的に極めて重要な日です。軍による過酷な弾圧の象徴である「戦車」を意味する「タンク」という言葉を、あえて事件が起きた同じ日のキャンペーン名称として使用したことが、歴史的な武力弾圧事件を揶揄するものだとして、韓国国内から厳しい批判を浴びる事態に発展しました。
このように、1980年5月18日の光州事件発生から、2026年同日の「タンクデー」企画実施による批判の殺到、そして今回の8月5日の本社強制捜査に至るまで、一連の事態は急速に展開しています。
こうした不適切な事態を受け、市民団体などはスターバックスコリアのみならず、親会社である新世界グループの会長ら経営トップを刑事告発する措置に踏み切っていました。警察当局は、会社側に意図的な歴史的揶揄や侮辱の目的があったのかどうかについて、押収した内部資料をもとに慎重に捜査を進める方針です。もし捜査の結果、故意性が立証されれば、経営陣が起訴され裁判に発展する可能性も想定されています。
大統領の非難と不買運動の拡大、経営トップの謝罪対応
この「タンクデー」騒動は、一企業への批判にとどまらず、韓国国内で大きな政治的・社会的な波紋を広げています。韓国の李在明大統領は自身のSNSを通じて、「低俗な商業主義による非人道的で無責任な行為に強い憤りを覚える」と投稿し、同社の歴史認識の欠如と企業倫理を厳しく非難しました。また、事態に対して反発する一部の市民による抗議活動も起きており、一部では企業ロゴが入ったタンブラーを叩き壊したり、ロゴマークを遺影のように装飾して「アウト」と書かれたステッカーを貼るなどの抗議活動が起きています。現在もスターバックスに対する不買運動が一部で継続して行われている状況です。
事態の深刻化と国民の怒りの爆発を受け、スターバックスコリア側は「企画と事件を意図的に結び付けようとしたわけではない」と釈明しています。しかし、批判の波は収まらず、親会社である新世界グループの会長らが刑事告発されるという異例の事態にまで発展しました。一方で、8月5日に行われた警察の家宅捜索に対し、スターバックスコリアは「進行中の捜査の一環として理解しています」との短いコメントを発表するにとどまっています。今後の捜査の進展によって、企業側の責任の所在がどこまで法的に問われるのか、社会的な関心が強く寄せられています。








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