
米国の国土安全保障省は7月31日、中国新疆ウイグル自治区からの物品輸入を原則として禁止する「ウイグル強制労働防止法」に基づき、強制労働に関与したと認定される中国に拠点を置く43社を新たに規制対象リストに追加すると発表しました。今回の追加は過去最大規模の拡充とされており、これにより同法に基づく規制の対象企業・団体は合計で187にまで拡大しました。
同省の発表によると、新たに対象となった中国の企業43社は、衣料品などの原材料を同自治区から調達したり、自治区政府と協力して強制労働のために少数民族ウイグル族らを移送したりしたと認定されています。
国土安全保障省のマークウェイン・マリン長官はこの決定に際して声明を出し、「米国の労働者は、奴隷労働を利用する外国企業によって安値で競合させられ、だまされてはならない」と強く強調し、自国の労働者と市場環境を保護する姿勢を鮮明にしました。
この「ウイグル強制労働防止法」は、中国政府によるウイグル族らへの人権弾圧を「ジェノサイド(集団殺害)」であると厳しく非難した2022年に施行されたものです。強制労働によって生産された製品をサプライチェーンから完全に締め出し、中国政府に経済的な圧力をかけることを主眼としており、企業側が強制労働に基づいていないことを明確に証明できない限り、米国への輸入は原則として認められません。特に、同地域で生産が盛んな綿や銅、アルミニウムなどの素材は重点品目に指定されており、厳しい監視の対象となっています。今回の43社追加措置は、この方針をさらに推し進めるものであり、日本を含む多国籍企業の調達網にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
中国側の強い反発と報復措置の示唆
米国による大規模な禁輸リスト拡充を受け、中国側は即座に猛反発しています。中国商務省の報道官は8月1日の声明で強制労働の事実を否定し、米国に対して問題の捏造をやめ、中国企業への不当な弾圧を停止するよう求めています。報道官が今回の米国の措置を、一方的な制裁を恣意的に科す経済威圧行為として批判していることや、前日の7月30日に米中経済閣僚がオンライン協議を行った直後というタイミングで中国の利益を損なう措置が打ち出されたことへの強い不満を表明しています。
また、報道官は今回の措置を「一方的な制裁を恣意(しい)的に科す経済威圧行為だ」と批判しています。特に、発表の前日である7月30日に米中両国の経済閣僚がオンラインで協議を行ったばかりであったことに触れ、「わずか1日後に中国の利益を損なう悪質な措置を打ち出した」と不満をあらわにしました。
この声明の中で中国政府は今後の報復措置も示唆しており、両国間の通商関係における緊張は再び高まりを見せています。経済対話の直後にあえて厳しい制裁を発表した米国の姿勢は、人権問題において決して妥協しないという強いメッセージでもあり、今後の国際的なサプライチェーンの再編に向けた動きがさらに加速していくものとみられます。



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