
米国ニューヨークのゾーラン・マムダニ市長(34歳)は7月27日、記録的なインフレーションに対する生活支援策として、行政が主導する食料品店を新たに開設すると発表しました。
この公営の食料品店は、ニューヨーク市内の最大5カ所に展開される見通しで、2027年後半に第1号店の営業開始を目指しています。店舗では野菜や肉、乳製品、パン、コメ、豆類などの生活必需品が幅広く取り扱われ、いずれも市場の平均価格より3割安で提供されることが大きな特徴です。マムダニ市長は会見の中で、「3割引きは住民にとって非常に大きな意味を持つ。月に90ドル(約1万4500円)、年間では1000ドル(約16万3000円)の節約につながる」と語り、家計への直接的な恩恵を強調しました。
導入の背景には、深刻化する経済格差と生活苦があります。ニューヨークでは現在、市民の4人に1人以上が貧困状態にあると推計されており、各地の食料配給所には毎日のように食べ物を求める人々の長蛇の列ができています。過去10年間で市内の食料品価格は約66%も急騰しており、インフレの波は低所得層のみならず、中間層の家計にも深刻なダメージを与えており、毎日の食卓を守るための早急な対応が求められていました。
なお、店舗の具体的な運営については民間事業者を選定して委託する形式をとります。事業者が抱える割引分の負担を補うため、ニューヨーク市が直接補助金を拠出することで、持続可能な安価な食料供給モデルを構築する考えです。
富裕層課税を財源とした包括的支援と今後の課題
急進左派として知られるマムダニ市長の政策は、食料品の割引販売にとどまりません。就任以降、市内約100万戸の賃貸住宅を対象とした家賃値上げの凍結や、2歳児向けの無料保育プログラムなど、生活費を抑えるための包括的な施策を次々と打ち出しています。これらの莫大な政策コストを賄うため、市内にセカンドハウスを所有する富裕層への新たな課税措置を導入し、年間で5億ドル(約810億円)以上の税収を確保する見通しです。
選挙公約でもあった今回の施策が実際に動き出すことへの期待は大きいですが、行政が直接的に価格形成に介入することの是非をめぐっては、各方面で活発な議論が交わされています。












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