
北朝鮮による弾道ミサイル発射が続くなか、東京都が有事対応の強化に動いています。小池百合子知事は2026年8月7日の定例記者会見で、JR東京駅の東側地下に広がる都八重洲駐車場(中央区)を、弾道ミサイル攻撃時に都民が一定期間身を寄せられる「地下シェルター」として整備する方針を明らかにしました。会見の前日6日夕には北朝鮮が弾道ミサイルを発射しており、小池知事はこの発射を強く非難したうえで方針を説明しました。
整備対象となる八重洲駐車場は、八重洲通りの地下1、2階に約260台分の駐車スペースを持ち、延べ床面積は1万平方メートルを超える大規模な地下空間です。周辺はオフィス街や商業施設が集積するエリアで、平日は多くの通勤者や来街者でにぎわいます。小池知事はこの点を踏まえ、「首都東京の玄関口の東京駅に近く、多くの方が滞在する地域であり、施設整備の効果が高いと見込まれている」と選定の理由を語りました。単に駅に近いからではなく、日中人口の多さそのものが選定の決め手になった格好です。
都は本年度から、ミサイル攻撃時に想定される爆風や破片の飛散、建物倒壊などのリスクを踏まえた詳細調査に入り、その後に設計などの検討を本格化させる予定です。工事の完了までには数年を要する見通しですが、工事中も完成後も駐車場としての利用は継続されるため、都民の日常生活への影響は最小限に抑えられる計画です。都心の交通・商業インフラを維持しながら防災機能を上乗せする、いわば「一石二鳥」型の整備といえます。
麻布十番に続く2カ所目、防衛意識の高まりを映す動き
東京都はすでに、都営地下鉄大江戸線・麻布十番駅(港区)に併設する防災備蓄倉庫(約1400平方メートル)についても地下シェルターへの改修を進めており、2026~2027年度に本体工事が予定されています。今回の八重洲駐車場は、都にとって2カ所目となる地下シェルター整備計画です。
背景にあるのは、北朝鮮による弾道ミサイル発射の頻発です。発射回数は2023年に18回、2024年に11回、2025年に4回を記録し、直近の2026年8月6日にも1発が発射され、日本の排他的経済水域外の朝鮮半島東岸付近に落下したとみられています。麻布十番の住宅・生活圏に対し、今回は東京駅前という日本最大級のビジネス拠点を守る狙いがあり、都が居住地と経済中心地の双方で避難インフラの整備を並行して進めていることがうかがえます。












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