
8月10日、人材サービス大手のリクルートホールディングスの株式が大量の買い注文を集め、値幅制限の上限となる前営業日比3000円(22.8%)高の1万6165円でストップ高の買い気配となりました。この株価急騰によって上場来高値を大幅に更新し、同社の時価総額は23兆円を突破しました。これはソニーグループを上回り、日本企業の中で第10位に浮上する規模となります。
この記録的な株価上昇の背景には、前週末の8月7日に発表された2027年3月期第1四半期(4~6月)の強力な決算結果と、それに伴う通期業績予想の大幅な上方修正があります。当四半期の連結決算は、売上収益が前年同期比18.9%増の1兆453億円、営業利益が同66.1%増の2554億円に達し、事前の市場コンセンサスであった2000億円弱の水準を大きく上回る好発進となりました。
この好調な進捗を踏まえ、同社は通期の営業利益計画を従来の7870億円から9450億円へと大幅に引き上げました。また、売上収益の通期予想についても、従来の4兆300億円から4兆2300億円へと上方修正しています。市場の事前予想であった8121億円を大きく上回る強気の見通しが示されたことで、株式市場では同社の成長性に対する評価が改めて高まる結果となりました。
業績を牽引しているのは「Indeed」を中核とするHRテクノロジー事業です。米国市場では求人件数が伸び悩む環境下にあるものの、AI機能を搭載した有料求人広告「Premium Sponsored Jobs」の利用が拡大しています。これにより、米国での1求人当たり平均単価(US ARPJ)が前年同期比で35%も上昇しました。
AI活用による採用プロセスの変革と出木場社長が示す中長期的な成長への自信
同社の成長戦略の核となるのが、AIテクノロジーによる採用プロセスの抜本的な変革です。出木場久征社長兼CEOは決算説明会において、「AIを活用して人事担当者の時間のかかる手作業を自動化し、世界中の採用活動の生産性を引き上げていく新しいフェーズに突入した」と力強く宣言しました。実際に、IndeedのAIが履歴書データベースから適切な候補者を見つけ出し、面接の設定までを自動で行う機能が実装され、実需を急速に取り込んでいます。
こうしたテクノロジーの進化が単なる業務効率化に留まらず、採用企業の高い付加価値として価格設定に反映されている点が、同社の強靭な収益性を支える仕組みとなっています。決算説明会の質疑応答においても、出木場社長からは「AIの進化スピードが速く、成長率の精緻な予測は難しい」とされつつも、中長期的な成長余地に対する強い自信が示されました。さらに、最大3500億円の自社株買いを推進するなど株主還元にも積極的であり、AIによる事業成長と資本効率の向上が両輪となって市場の期待をさらに高める結果となりました。









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