
8月9日夜、精鋭軍事組織「革命防衛隊」の元最高司令官で、最高指導者モジタバ・ハメネイ師の軍事顧問を務めていたモフセン・レザイ氏(71)が、最高国家安全保障委員会(SNSC)のメンバーに新たに加わりました。任命したのはハメネイ師自身です。この動きを受け、マスード・ペゼシュキアン大統領がレザイ氏をSNSC事務局長のポストに据えたことを明らかにしています。
SNSC事務局長は外交・国防政策を統括する実務上のトップとされる要職で、今年3月に就任したばかりだったモハンマド・バゲル・ゾルガドル氏の後任という形になりました。イラン大統領府も9日、事実上のトップである事務局長がゾルガドル氏からレザイ氏に交代したことを公表しています。
ホルムズ海峡の航行再開をめぐるイランとオマーンの協議、そしてそれを受けた米国側の対応が重要な局面を迎えるなかでの人事交代であり、専門家からは軍部の発言力が一段と強まるとの見方も出ています。
レザイ氏は1954年にイラン南西部フーゼスターン州で生まれました。1981年に革命防衛隊の司令官に就任し、1997年までの16年間その職を務め、イラン・イラク戦争ではほぼ全期間にわたって戦闘の指揮を執った人物です。革命防衛隊の司令官在任期間は歴代最長で、同組織をイラン国内屈指の強力な機関に育て上げたことで知られています。
司令官を退いた後は、最高指導者への助言機関である公益判別評議会の事務局長を1997年から2021年までの20年以上にわたって務め、政治の中枢に身を置き続けました。ライシ前大統領の下では経済担当副大統領に任命され、経済分野の要職も歴任しています。
大統領選には2005年、2009年、2013年、2021年と過去4回出馬していますが、いずれも当選には至っていません。2021年の選挙ではライシ氏に次ぐ2位となり、約344万票(得票率11.8%)を獲得しました。強硬派の現実主義者として知られる一方、経済分野での発言力も持つ多面的な人物と評価されています。
ホルムズ海峡で威嚇、対米譲歩を拒む姿勢
レザイ氏はかねて米国との対話には否定的な姿勢を貫いてきました。イラン国営メディアによると、米国の海上封鎖を「戦争行為」と非難し、イランとして黙認する考えはないと述べています。
これまでの発言でも、レザイ氏は対米強硬派としての姿勢を崩していません。米軍がホルムズ海峡の「警察」役を担うならば同海峡で米艦船を撃沈すると警告したこともあり、停戦延長にも否定的な考えを(個人的見解と断りつつ)示してきました。今回の要職就任は、米国との交渉や軍事的緊張が続くなかで、イランがより強硬な姿勢を選んだ表れともいえそうです。












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