ロシア・プーチン大統領が択捉島を初訪問 対日けん制で実効支配を誇示

ロシアのプーチン大統領

ロシアのプーチン大統領が8月13日、北方領土の択捉島を訪問しました。ロシアの最高指導者による北方領土訪問は、2010年のメドベージェフ大統領(当時)の国後島訪問以来であり、2000年に大統領に就任したプーチン氏にとっては初めてのこととなります。

プーチン大統領は、北方領土を事実上管轄する極東サハリン州のリマレンコ知事とともに島内の水産加工場を視察し、特産のイクラを試食するパフォーマンスを見せました。また、病院や学校などの社会基盤施設も訪問し、学校付近に集まった住民らに対して「まるでリゾート地だ」と語りかけるなど、住民との交流を通じて実効支配の定着をアピールしています。住民側も晴天に恵まれたことを「とても珍しいこと」「あなたの到着に合わせたようだ」と歓迎し、談笑する様子がロシア国営テレビなどで報じられました。

視察後に行われたリマレンコ知事との会談では、ウクライナ侵略に関する意見交換が行われました。リマレンコ氏が、侵攻で負傷した兵士2000人が同州内でリハビリ治療を受け、その大半が前線へ復帰したと報告し、「住民は『全ては勝利のために』と話している」と侵攻支持の世論を強調すると、プーチン氏は「ロシアの人々とはそういうものだ。勝者の遺伝的コードを持っている」と称賛し、愛国心を鼓舞しました。さらに、第2次世界大戦末期の対日参戦で激戦地となった千島列島北東端のシュムシュ島(占守島)にも言及し、戦死したソ連兵の追悼について「忘れてはならない」と強調しています。

大統領自らが択捉島に足を運んだ背景には、ウクライナ侵攻を理由に厳しい対ロ経済制裁を継続している日本を強くけん制し、領土問題において一切妥協しない実効支配の現実を内外に誇示する狙いがあるとみられます。

プーチン氏の北方領土訪問に反発 高市首相と茂木外相が強く抗議

ロシアのプーチン大統領による北方領土訪問を受け、高市首相は8月13日、「北方領土に関する日本の一貫した立場と相いれません。また、日本国民の感情を傷つけるものであり、断じて許容できません」と厳しく非難しました。

高市首相は日ロ関係について「日本はできる限りの努力を払ってきた」と強調した上で、今回の訪問が「中長期的な関係回復を困難にしたと言わざるを得ない」との認識を示し、ロシア側へ事態の重大さを深刻に受け止めるよう強く求めました。

同日、茂木外相もロシアのノズドレフ駐日大使を外務省に呼び出し、強く抗議を行っています。政府や関係者が一体となって反発を強めており、日露関係のさらなる悪化は避けられない見通しです。

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