
トランプ米大統領は8月13日、輸入されるドローンと関連部品に新たな関税を課す布告に署名しました。国家安全保障上のリスクを理由に海外供給への依存を減らし、米国内の生産基盤を強化する狙いです。対象となる製品の種類や原産国によって税率を分ける内容で、中国を中心とする既存の供給網に大きな影響が及ぶ可能性があります。
最も高い100%の関税は、最大離陸重量が25キログラムを超える大型機や、熱画像機能など安全保障上特に重要とみなされる能力を持つ機体、関連する主要部品に適用されます。一方、こうした機能を持たない小型ドローンや一般的な部品には25%を課す方針です。大半の措置は署名から21日後に発効し、重要度が比較的低い部品については180日後から適用されます。
日本から米国へ輸出されるドローン・部品については、EU、韓国、台湾、スイス、リヒテンシュタインと同様に15%の税率が設定されました。英国製は10%です。ただし、優遇税率の適用には、ハードウエアやソフトウエア、技術の大部分が対象国・地域または米国内由来であることが求められます。日本企業にとっては一定の負担軽減となる一方、部材調達に中国など第三国を多く組み込む場合は、対応の見直しが必要になりそうです。
米政府は、無人航空機システムが防衛、災害対応、重要インフラの点検などで果たす役割を重視しています。ロシアによるウクライナ侵攻では、小型機を含むドローンが偵察や攻撃に広く活用され、その軍事的価値が改めて浮き彫りになりました。今回の措置は単なる通商政策にとどまらず、安全保障を軸にした産業政策の一環と位置付けられます。
中国製中心の市場構造に変化も
米国市場では中国製ドローンが幅広く利用されてきましたが、今回の関税は調達コストの上昇を通じて、米国製や同盟国製への切り替えを促す可能性があります。とりわけ高性能機や重要部品では、価格競争力だけでなく、製造地、技術の由来、部品の追跡可能性が取引条件として重みを増す見通しです。
一方、関税は測量、農業、映像制作、インフラ点検など民生用途の利用者にもコスト増として及ぶ恐れがあります。米国内で代替供給をどこまで短期間で拡大できるかが焦点です。日本企業には、米国向け製品で15%の税率を活用できる可能性があるものの、原産地要件を満たすサプライチェーンの構築が競争力を左右することになります。












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