
イラン軍のアミール・ハタミ司令官は8月16日の演説で、侵攻してくる米軍兵士を1人殺害するか拘束した場合、一般の実行者に対して3万ドル(約480万円)相当の特別報奨金を支払う計画を明らかにしました。さらに、海外メディアの報道によれば、女性が殺害や拘束に成功した場合は特例として、報奨金の額が通常の2倍となる6万ドル(約960万円)相当に引き上げられるとのことです。
この計画は、作戦への参加を求める非常に多くの国民からの要望を受けて立案されたとされており、背景には米国とイスラエルによる空爆で殺害された故ハメネイ最高指導者への報復という強い意図が含まれています。
現在、中東地域には5万人以上の米軍兵士が駐留しています。最近のイラン軍幹部による発言では、米軍の本格的な地上侵攻を警戒する声が増加しており、今回の報奨金提示は地上戦を見据えた戦意高揚策である可能性が指摘されています。加えて、米国と交わした戦闘終結に向けた覚書の交渉期限(60日間)が目前に迫る中、イラン側が内外に対して強硬な態度をアピールする狙いがあるとうかがえます。
アミール・ハタミ司令官は、米兵の殺害や拘束が具体的にいつ、どこで行われると想定しているかについての詳細は明らかにしていません。しかし、米国に対して中東からの撤退を強く求め、「彼らにはもはやペルシャ湾、オマーン湾、あるいはホルムズ海峡への進入許可はない」と強調し、同海域での対米牽制を一層強めています。
本格的な地上戦への警戒と泥沼化する中東情勢
これまでのところ、中東戦争においてイラン国内へ米国の地上部隊が配備された実績は確認されていません。例外として、今年4月にイラン領内で撃墜された米軍戦闘機の乗員救出作戦が挙げられますが、この際にもイランは国民に報奨金を提示し、身柄確保を競わせた経緯があります。
一方、開戦以降における米軍の死者数はすでに17人に達しています。直近となる7月にも死傷者が出ており、これら死亡例はいずれもイラン国外のヨルダンやイラクなどに駐留する部隊への無人機(ドローン)やミサイル攻撃によって発生したものです。
原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の開放に向けた交渉は妥協点が見出せず、米国の対イラン軍事作戦は出口が見えない状況に陥っています。イラン側は「米軍の撤退」や「損害賠償」などを条件に掲げて譲らず、米イラン双方の歩み寄る気配がないまま、中東地域の緊張状態はさらに長期化する懸念が高まっています。












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