
陸上自衛隊向けの攻撃型ドローンをめぐり、楽天グループがドイツの防衛技術スタートアップ、ヘルシングとの連携に動いています。同社製の「HX-2」の日本導入を後押しする狙いとみられ、2026年8月17日に明らかになりました。ヘルシングは2021年創業のドイツ企業で、当初は戦場データ分析を支援するAIソフトウエアの開発を手がけ、その後自律型ドローンなどへ事業を広げてきました。
防衛分野は調達制度や安全保障上の要件、関係機関との連携などが参入障壁となりやすく、海外企業にとって日本での事業展開には時間を要します。楽天は機体を自社開発するのではなく、日本市場における窓口として、防衛省・自衛隊への納入調整や事業面の支援を担う橋渡し役です。
陸上自衛隊はHX-2の導入可否の検討に向けて実証実験を進めており、試験は9月末まで実施される予定です。現時点では、正式な調達契約や採用の決定は公表されていません。ヘルシング側は、日本の当局とHX-2について「初期的な合意」に達したとしています。
HX-2は、AIを活用した攻撃型ドローンです。ヘルシングによると重量は12キログラム、最大速度は時速220キロメートルで、最大100キロメートル先の目標を攻撃できるとされています。通信や測位衛星の信号が妨害された環境でも、AIが目標を探索・再識別できる点が特徴です。
複数機を連携させて同時に目標を攻撃する「スウォーム」機能にも対応しているとされています。ただし攻撃など重要な判断には人間の操作者が関与する設計で、実際の用途や調達数量、運用部隊などは未定です。
将来的には日本国内での量産化も選択肢として報じられていますが、楽天側は国内生産についてヘルシングと具体的な協議をしていないとしており、現段階では実証の結果と防衛省の判断が焦点です。
実証後の調達判断が焦点に
防衛省・自衛隊は無人機の活用を拡大しており、攻撃や迎撃、監視・偵察などの能力強化を急いでいます。ウクライナ戦争では比較的低コストの無人機が戦場で大きな影響を及ぼしており、日本でも島しょ防衛を含む多様な任務への応用が課題です。
今回の取り組みは、海外製装備の導入支援にとどまらず、民間企業が防衛技術の調達・事業化に関与する動きの一つといえます。楽天が海外の防衛スタートアップを支援するのは初めてではなく、2026年4月にはウクライナのドローンソフトウエア企業スウォーマーの実証も支援した実績があります。
実証実験で性能や運用適合性、安全性を確認したうえで、正式調達に進むかどうかが判断される見通しです。国内生産まで発展する場合には、防衛産業の供給網や技術基盤にも影響を与える可能性があります。






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