
兵庫県は2025年度の一般会計決算を公表し、地方債の発行に国の許可を要する「起債許可団体」へ移行することになりました。県財政の借金返済負担を示す実質公債費比率が3カ年平均で19.2%となり、許可制への移行基準である18%を上回ったためです。県が起債許可団体となるのは14年ぶりとなります。
同年度の一般会計は、歳入が2兆3908億円、歳出が2兆3720億円で、実質収支は63億3500万円の黒字でした。所得環境の改善や企業業績などを背景に税収は過去最高となった一方、財政の自由度を左右する債務返済の負担は重くなっています。
実質公債費比率は、自治体の標準的な収入に対して、地方債の元利償還など実質的な公債費がどの程度を占めるかを示す指標です。3カ年平均で18%以上になると、自治体は地方債を発行する際、原則として総務相の許可を受けなければなりません。
県は悪化の要因として、阪神・淡路大震災の復旧・復興に伴って生じた県債の償還が続いていることに加え、金利上昇によって利払い負担が増していることを挙げています。黒字決算や税収増だけでは、長期にわたって積み上がった債務の返済圧力を直ちに軽減できない構図です。
起債許可団体への移行は、直ちに財政再生団体となることを意味するものではありません。しかし、将来の公共施設整備やインフラ更新などで県債を活用する場合、国の審査を経る必要があり、財政運営の選択肢が狭まる可能性があります。県は、地方債に依存する投資の規模や優先順位をこれまで以上に厳しく見直す局面に入ります。
2031年度に早期健全化団体の可能性 投資抑制で財政改善へ
兵庫県は、対策を講じない場合、実質公債費比率が25%を超える「早期健全化団体」に2031年度にも該当する可能性があると見込んでいます。当初は2030年度とされていた時期が1年後ろ倒しになりましたが、都道府県では前例のない水準への悪化リスクは残ります。
県は国の許可を得るため、公債費負担適正化計画を策定し、投資的経費を少なくとも1割抑える方針です。事業の重点化、県債残高の管理、歳入確保を並行して進め、返済負担の上昇を抑えられるかが焦点となります。早期健全化団体となれば財政健全化計画の策定・公表と国への報告が必要となるため、県には計画の実効性を示すことが求められます。









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