中東情勢の要衝ホルムズ海峡、イランの統制力低下が浮き彫りに 米軍護衛でオマーン航路の利用急増

世界のエネルギー供給を左右するホルムズ海峡において、長らく同海域での影響力を誇示してきたイランの統制力が大幅に低下している実態が明らかになりました。海外メディアが8月19日に報じた内容によると、アメリカ軍がホルムズ海峡の南側を通る航路を確保したことが判明しました。過去2週間、毎晩15隻から20隻のタンカーがオマーン沿岸の南側航路を利用して海峡を出入りしています。米軍の戦闘機による強固な護衛作戦により、民間船舶が安全な航路を利用できるようになりました。
こうした通航ルートの劇的な変化は、イランの資金源にも深刻な打撃を与えています。今年の春には通過船舶に対して通航料の徴収を強行していましたが、米国との覚書が期限を迎えた今週、理論上は再び課金が可能となったにもかかわらず、船が寄り付かないために実際には全く徴収できていない模様です。
さらに、サウジアラビアやクウェート、アラブ首長国連邦などの産油国も、独自の迂回戦略を強化しています。超大型原油タンカーを用いて危険区域外のオマーン湾で顧客のタンカーに原油を積み替える手法が取られており、イランの目を欺くために船舶自動識別装置を数週間にわたり停止させる事例も後を絶ちません。このため、実際の流通量は民間機関の数字を上回るとみられています。
クリス・ライト米エネルギー長官は先週、同海域を経由した原油輸送量が1日あたり約1500万バレルに達し、戦争前の平均値である1日2000万バレルに迫りつつあると強調しました。
米国の「完全支配」主張と続く世界的影響
ドナルド・トランプ大統領は19日、ホワイトハウスで「現在、海峡は開いており、多くの船が通航している」と述べる一方、イランへの海上封鎖は「100%成功している」と主張しました。しかし、イラン側はアメリカが海上封鎖を解除しなければ周辺地域へ攻撃を行うと警告しており、事態が完全に終息したとは言い難い状況が続いています。
この海域の緊張状態は、日本の経済にも深刻な波及効果をもたらしています。財務省が20日に発表した7月の貿易統計速報によれば、中東情勢の悪化による原油輸入コストの高騰などが影響し、貿易収支は6345億円の赤字を記録しました。円安の進行も重なり、原油の輸入単価は前年同月比で78%も高い水準に跳ね上がっています。イランの統制力が弱まったとはいえ、安全かつ安価なエネルギー供給網の再構築にはなお時間を要し、国際社会は引き続き綱渡りの対応を迫られています。










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