
アラブ首長国連邦(UAE)の国防省は8月18日、イランから同国に向けて弾道ミサイル2発が発射されたと発表しました。同省の発表によると、ミサイルは海上の交通網を狙ったとみられ、それぞれ領海の内外に着弾しました。UAEへの直接的な軍事脅威が表面化するのは、5月に発生したフジャイラ港での事案以来となります。
これに対し、UAE国防省は「国家の安全を不安定化させようとするいかなる動きにも断固として立ち向かう」と強い対抗姿勢を表明しました。事態を重く見たUAE外務省はその後、地域および国際的な平和と安全を損なう情勢悪化を理由として、イランとの全ての貿易、交流、および金融取引を、追って通知があるまで全面的に停止すると発表しました。
一方、イラン外務省のバガイ報道官は、イランがUAEに向けてミサイルを発射したという主張には「根拠はない」と真っ向から反論しています。同報道官は、この事案が自国を陥れるための「偽旗作戦」である可能性にも言及し、関与を否定しました。
今回のミサイル発射は、米国とイランが戦闘終結に向けて結んだ覚書の協議期間が過ぎた直後に発生しており、世界のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡周辺での緊張が再燃する恐れが高まっています。米国のトランプ大統領はSNS上で、イランとの対話や交渉は行われていないと発信し、イラン関連船舶を標的とした海上封鎖を今後も継続する方針を強調しています。
今回の事態に対し、当事者間の主張は真っ向から対立しています。UAEの国防省および外務省は、2発のミサイル飛来を確認した上で、国家安全保障の観点から全貿易および金融取引の停止措置を即時決定しました。対するイラン外務省は、発射の事実を完全に否定し、米国や周辺国による「偽旗作戦」の可能性を指摘して強く反発しています。
強まるイランへの経済的打撃と中東情勢の行方
ペルシャ湾岸における重要な経済・貿易のハブであるUAEが、イランとの取引を全面的に停止する決定を下したことは、単なる二国間の外交摩擦にとどまりません。米国による継続的な海上封鎖と合わさることで、イラン経済に対して致命的な打撃を与える可能性があります。貿易網の寸断は、すでに孤立化が進む同国にとってさらなる経済的困窮を招く要因となります。
一方で、米国防総省は対イラン軍事作戦終了後に、ペルシャ湾沿岸に駐留する米軍部隊の規模縮小を検討しているとも報じられています。これは、中東地域における米軍の抑止力低下につながる恐れがあります。
今回の事案や部隊規模縮小の可能性を受け、中東地域における米軍の抑止力低下が、さらなる情勢悪化や武力衝突を招くのではないかとの懸念が広がっています。








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