
米ハワイ州を襲ったハリケーン「ララ」の影響で、州内の電力インフラに大きな被害が広がっています。勢力は16日までに熱帯暴風雨へと弱まったものの、送電線の損傷や道路の冠水、倒木などが復旧作業を妨げており、被災地域では停電が長期化するおそれがあります。
ハワイ最大の電力会社であるハワイアン・エレクトリック・インダストリーズは17日、ハワイ島とマウイ島の遠隔地で電力設備に重大な損傷が見つかったと明らかにしました。現場では送電線の修理が進められているものの、被害が集中した地域では復旧まで数週間、場所によっては数カ月を要する可能性があるとしています。17日夜の時点でも、州内では8万戸を超える住宅や事業所が停電したままとなっていました。
同社はハワイ島の主要送電線3本を修復した一方、使用できないままの送電線が残っているとみられます。ララの接近当初は、州全体で18万世帯を超える停電が確認され、オアフ島でも多数の顧客が影響を受けました。停電規模は時間の経過とともに縮小しているものの、島しょ部では電力網の復旧に必要な人員や資材の輸送も課題になり得ます。
豪雨による被害も深刻です。米気象予報センターによると、ハワイ島ラウパホエホエでは14日から16日朝までの雨量が約111センチに達しました。ほかにも90センチを超す降雨を観測した地点があり、送電設備に加えて道路や橋への被害が報告されています。交通網の寸断は、復旧要員が被災地へ向かう際の障害となり、住民生活や事業活動への影響をさらに長引かせる可能性があります。
また、州警察は緊急通報「911」の利用に支障が生じたとして、警察・消防・救急を必要とする住民に別の連絡手段を案内しました。通信と電力が同時に不安定になる中で、行政当局や電力会社には、孤立しやすい地域の安全確保と迅速な情報提供が求められています。
遠隔地の復旧、生活支援も焦点に
ハワイ島の農村部などでは、損壊した送電設備が山間部やアクセスの難しい地域に位置するケースもあり、単純な配線復旧では解決しにくい状況です。電力供給の再開が遅れれば、冷蔵・冷凍設備、通信、医療機器、給水ポンプなど、生活の基盤に幅広い影響が及びます。
ハワイアン・エレクトリックは復旧状況を公表しながら作業を続けていますが、地域ごとに復電時期は大きく異なる見通しです。今回の被害は、激しい雨風による自然災害が島しょ部の送電網に与える脆弱性を改めて浮き彫りにしました。今後は緊急復旧に加え、送電線の耐災害性向上や分散型電源の活用を含む、中長期的な電力インフラ対策も重要になりそうです。




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