
生成AI「Claude」を手がける米アンソロピックが、新規株式公開(IPO)で史上最大規模の資金調達を目指している可能性が浮上しました。今年上場した米宇宙・AI企業のスペースXが記録したIPO規模に並ぶか、上回る水準を視野に入れているといいます。
スペースXは6月にナスダック市場へ上場し、当初の売り出しで750億ドルを調達しました。その後、主幹事証券会社に追加株式の取得権を与える「グリーンシューオプション」が行使されたことで、最終的な資金調達額は約860億ドルに拡大しています。アンソロピックがこの水準を上回れば、IPO史上最大の調達案件となる可能性があります。
アンソロピックの上場計画はまだ正式決定ではなく、市場環境や企業価値の評価、当局への登録書類の提出時期などが今後の焦点です。同社は6月、米証券取引委員会(SEC)にIPO申請書類の草案を非公開で提出しており、早ければ8月末にも上場関連書類の公表準備を進めていると伝えられています。
報道によると、上場時の時価総額は2兆ドルを超え、実現すればスペースXを上回り最大規模となる見通しです。上場時期は10月ごろとの観測もあり、同社の最高財務責任者は、直近の投資家向け説明会で企業価値に関する質問には答えなかったといいます。
アンソロピックは5月の資金調達で650億ドルを確保し、企業価値は9650億ドルと評価されました。2月時点の評価額は3800億ドルであり、短期間で評価が大きく上昇した形です。生成AIの開発には、半導体の確保や大規模データセンターの運営など巨額の先行投資が必要で、上場による資金確保は競争力を左右する要因となります。
一方で、AI企業の高い評価額が持続するかは不透明です。AIサービスの収益化、開発費の増加、競合するOpenAIなどとの技術・顧客獲得競争が、上場後の投資家評価にも影響するとみられます。
AI投資熱を映す大型上場
スペースXは6月に一足先に上場を果たし、OpenAIとアンソロピックも大型上場に向けた準備を進めています。3社とも計算資源への投資などで多額の資金需要を抱えており、収益化が課題となってきました。
アンソロピックは直近四半期で黒字転換したと伝えられる一方、OpenAIは依然として赤字が続いているとされ、両社の収益力には差がみられます。アンソロピックの黒字転換は関係者の話として伝えられたもので、通期を通じて黒字を維持できるかは不透明だとの指摘もあります。今後もデータセンターや計算資源への投資が続けば、再び損益を圧迫する可能性があるためです。
アンソロピックのIPOが記録的規模に達した場合、AIを将来の成長分野と捉える投資マネーの強さを示すことになります。他方、巨大な調達額は投資家から将来の収益拡大に対する高い期待を受けることも意味します。AIブームが株式市場でどこまで資金を呼び込めるのか、同社の上場準備は市場の試金石になりそうです。












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