
2027年度予算案の概算要求総額が、初めて130兆円の大台に乗る見通しとなりました。各省庁が8月末までに提出する一般会計の要求額を積み上げた規模です。2026年度当初予算の122兆円余りから大きく増える方向で、4年続けて過去最大を更新することになります。高市政権が掲げる「責任ある積極財政元年」の具体的な規模が焦点となります。
概算要求は、各省庁が必要と考える経費を財務省に示す予算編成の出発点です。要求額がそのまま予算として決まるわけではなく、年末にかけて財務省の査定や政府内の調整を経て、予算案が固まります。今回は金額を明示しない「事項要求」も含まれており、集計後の要求規模はさらに拡大する可能性があります。
要求総額が膨らむ背景にあるのは、成長投資や安全保障、社会保障など幅広い政策分野での支出需要です。政府が新設した「強く豊かな日本投資枠」は要求額に上限を設けておらず、成長分野への積極投資を促す仕組みが膨張の主因とされます。こうした投資枠は、GXや半導体、経済安全保障といった分野への重点配分が想定されている枠組みです。
防衛省も無人機やAIを使った「新しい戦い方」への対応を柱に、過去最大となる約8兆9000億円を要求する方向で調整しています。一方で、財政支出の拡大を支える国債については、金利上昇による利払い負担の増加が避けられない状況です。予算規模を拡大して政策を進める一方、将来の財政負担をどう抑えるかが政府に問われます。
特に、国債の元本返済と利払いに充てる国債費は、過去最大となる36兆円台が見込まれています。財務省は国債費を約36兆6000億円とする方向で調整に入っており、2026年度の31兆2000億円台から5兆円以上増える見通しです。
想定金利3.8%へ引き上げ、政策経費を圧迫する懸念
国債費の増加は、利払い費を見積もる際の想定金利を、2026年度予算の3.0%から3.8%程度へ引き上げる方向となっていることが主因です。要求段階の想定金利としては1998年度以来29年ぶりの高水準となります。東京債券市場では、新発10年物国債の利回りが一時2.945%まで上昇しており、積極財政への警戒感が市場の金利動向にも表れている形です。
低金利期に発行した国債が、より高い金利で借り換えられる局面が続けば、利払い費は一段と増えるおそれがあります。国債費は裁量的に削減しにくい支出であるため、増加すれば社会保障や防衛、成長投資に回せる財源の制約につながりかねません。
財務省の試算では、金利上昇が続いた場合、国債費は2029年度に41兆円台まで膨らむとの見方です。年末の予算編成では、金利の動きと財政規律を踏まえ、要求をどこまで絞り込めるかが重要になります。












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