
GSF拿捕事件を捜査するトルコ当局は21日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相らについて、インターポールへの国際手配要請に向けた方針を明らかにしました。
トルコのアクン・ギュルレク法相によると、イスタンブールの裁判所は先月14日、ネタニヤフ首相とアフェク・モスコビッチ氏の2人に逮捕状を発行。同国の司法当局はこの逮捕状を根拠に、インターポールへレッドノーティス(国際逮捕手配書)の発行を要請する手続きに入りました。対象者には、人道に対する罪やジェノサイドなどの容疑がかけられています。
今回の動きは、イスラエル軍が今年5月、ガザに向かっていたGSFを地中海上で阻止し、活動家らを拘束した事件に関連するものです。船団には約50隻・約430人の活動家が参加しており、乗船者は連行された後、国外退去となりました。船団阻止を巡っては国際的な批判が広がり、フランスやイタリア、オーストラリアなどでも司法手続きが進められています。
トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は、2023年10月に始まったガザ戦闘を巡り、イスラエルの軍事行動を強く批判してきました。ネタニヤフ政権に対し、ガザでジェノサイドを行っていると繰り返し主張しており、今回の国際手配要請は、両国関係の緊張を一段と深める可能性があります。
一方、イスラエル首相府はトルコ側の措置を強く非難し、「トルコの偽善行為には全く動じない」と反論しました。声明ではエルドアン大統領を「反ユダヤ主義の独裁者」と呼び、地域の安定を損なうトルコの動きには断固対応するとの立場を示しています。
レッドノーティスは、加盟国に被手配者の所在確認や暫定拘束への協力を求める仕組みで、国際的な逮捕令状ではありません。実際の拘束は各国の判断に左右され、第三国での拘束につながるかは不透明です。
イスラエルとトルコ、シリア情勢でも応酬
対立の背景には、ガザ情勢だけでなくシリアを巡る緊張もあります。シリア当局は今週、トルコ国境に近い空軍基地がイスラエルの攻撃を受けたと発表しました。イスラエル側は、トルコがシリアで軍事的影響力を拡大しようとしているとの見方を繰り返しています。
これに対しトルコ大統領府は、イスラエル側の主張を「無礼な発言」と退け、ネタニヤフ政権が責任を回避しようとしていると批判しました。トルコ側は、イスラエル国内の政治日程も念頭に、ネタニヤフ首相らが選挙上の利益を狙って対外強硬姿勢を演出しているとの見方を示しています。
ガザ支援船団を巡る法的対応は、単なる個別事件にとどまらず、ガザ戦闘、人道支援の扱い、シリアを含む中東の勢力関係を重ねた外交対立の新たな火種となっています。












-300x169.jpg)