
中国の深圳市にある裁判所は8月20日、世界最大の負債を抱え経営破綻した不動産大手「中国恒大集団」の創業者である許家印被告(67)に対し、違法な資金調達などの罪で無期懲役の一審判決を言い渡しました。さらに、政治的権利の剥奪に加え、個人資産をすべて没収するという極めて厳しい命令を下しています。
裁判所の認定によると、同被告は2016年から2021年にかけて同グループを実質的に支配し、持続的かつ大規模な粉飾決算を主導しました。資産を不当に水増しして負債を隠蔽したほか、資金の不正流用、資金調達詐欺、一般からの違法な預金受け入れなど、計8つの重大な罪に問われました。裁判所は声明で、「犯罪にかかわる金額は極めて巨額で、情状は極めて悪質であり、社会に及ぼした危害も極めて深刻だ」と断じています。
また、創業者個人への無期懲役という厳罰にとどまらず、法人としての中国恒大集団に対しても88億2000万元(日本円で約2100億円)、主要子会社の恒大地産には70億元という天文学的な罰金が科されました。同日には他の幹部5人に罰金と6年から18年の懲役刑が下されたほか、許被告以外に恒大に関連する計56人が同日に判決を受けており、グループぐるみの不正が厳しく断罪される結果となりました。
1996年に創業された恒大は積極的な借り入れによる拡張路線で中国最大の不動産開発会社へと急成長し、許氏は2017年には純資産453億ドルを誇るアジア一の富豪に上り詰めました。しかし、かつて中国を代表する不動産開発会社だった恒大は、3000億ドルに上る負債の大半でデフォルト(債務不履行)に陥り、中国不動産危機の象徴的存在となりました。許被告はデフォルト後の2023年に中国当局に拘束されて以降、公の場に姿を見せていませんでした。
住宅購入者の悲痛な声と、大手監査法人への処分の波紋
今回の厳正な判決が下された一方で、恒大破綻が残した爪痕は深く、根本的な被害者救済への道のりは険しいままです。判決後、恒大の住宅購入者らのソーシャルメディアグループでは、「一般市民が代償を払わされた」「私たちの金はどうなる」などといった悲痛な声が相次いで上がりました。没収された許被告の資産や法人への罰金が、膨大な債権者や個人の購入者への賠償にどれほど充当されるかは依然として不透明です。
また、この巨額粉飾事件の余波は外部の監査機関にも及んでいます。最新の動向によると、中国当局は中国恒大集団の巨額粉飾決算を見逃した責任として、世界4大会計事務所の一角であるPwCに対し、6カ月間の監査業務停止や巨額罰金といった歴史的な重罰を下しました。不動産バブル崩壊の象徴となったこの事件は、一企業の不正にとどまらず、市場の監視体制やグローバルな監査法人の責任を根底から問う事態へと発展しています。




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