JAバンク大阪、特殊詐欺を防ぐ「超音波スピーカー」をATMに導入へ 府内の被害急増に対応

高齢者などを狙った特殊詐欺被害が深刻化する中、JAバンク大阪(大阪府信用農業協同組合連合会)は、大阪府内にある14JAの約150店舗のATMコーナーに、被害を未然に防ぐための特殊なスピーカーの設置を進めています。このスピーカーは、利用者が機器の前に立つと「特殊詐欺の被害が多発しています」などと自動で音声が流れると同時に、携帯電話での通話を困難にする超音波を発信する仕組みです。この超音波が携帯電話のマイクに優先的に拾われることで、犯行グループ側に利用者の声が聞こえなくなり、振り込み指示などの通話を物理的に妨害します。なお、この超音波がATM自体の通信機能に影響を与えることはありません。
近畿地方の金融機関では初となるこの取り組みは、6月中旬にJA堺市本所へ第1号機が設置されたのを皮切りに順調に進んでいます。8月下旬時点の最新情報によると、すでに対象となる店舗の半数ほどで導入が完了しており、9月末までには予定通り約300機の導入が完了する見通しです。
独自の対策に踏み切った背景には、府内における被害の高止まりがあります。大阪府内で昨年1年間に確認された特殊詐欺(SNS型投資・ロマンス詐欺を除く)の被害状況をみると、被害件数は3317件で前年比25%増、被害額は約135億8000万円で同123%増となりました。このように、被害件数と被害額が過去最多を記録しており、啓発ポスターや声かけといった従来の水際対策だけでは、巧妙化する犯行を防ぎきれない実態が浮き彫りとなっていました。そのため、通話を強制的に遮断するという実効性の高い機器の導入が急務となっていたのです。
府の条例改正と連動した水際対策、利用者や地域からは期待の声
特殊詐欺対策を巡っては、大阪府で昨年施行された改正「府安全なまちづくり条例」により、様々な規制が強化されています。具体的には、65歳以上の高齢者が通話しながらATMを操作することの禁止や、被害の恐れがある利用者を発見した際の警察への通報義務化が盛り込まれました。また、一定条件に当てはまる口座は、1日の振り込み上限額を10万円以下に設定する規定も設けられ、金融機関にはより踏み込んだ対応が求められています。
今回のJAバンク大阪の取り組みは、この条例改正の趣旨に沿う強力な支援策です。JAバンク大阪は「利用者の資産を守るため、自治体や警察と連携し、先頭に立って被害防止に取り組む」としており、今後は他行への波及や地域全体での連携強化が注目されます。












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