
東京都の旧跡に指定され、古くから手厚く保護されてきた千代田区大手町の将門塚において、動画配信者の男性が石碑によじ登るなどの迷惑行為をライブ配信し、インターネット上で批判が殺到する事態となっています。
事件が発生したのは8月19日の夜間です。男性は、海外発のライブ配信プラットフォームである「Kick」を利用し、人気のない将門塚に侵入しました。配信映像には、男性が供養のための石碑によじ登って抱きつき、視聴者からのチャンネルポイントなどに感謝しながら甲高い奇声を何度も発する様子が記録されています。さらに、男性は下半身を露出して記念撮影を行うなどの不適切な行為にも及んでいたことが明らかになっています。
SNS上で映像が拡散されると、「知性も教養もない」「罰当たりすぎる」といった非難の声が瞬く間に広がり、大炎上となりました。報道機関の直撃取材に対し、男性は「ライブ配信を盛り上げ、閲覧数を増やすことで自分の承認欲求を満たすためにやってしまった」と動機を説明しています。事態の重大さに気づいた男性は、その後自身のSNSで「配慮を欠いた行為だった」と謝罪文を投稿しましたが、現在「Kick」のアカウントは停止措置を受けています。
今回の迷惑行為について、警察当局は刑法第174条に定められた公然わいせつ罪や、刑法第188条1項に基づく礼拝所不敬罪の容疑を視野に捜査を進めています。
根強く残る怨霊伝説と国税庁が記す「たたりの噂」
将門塚は、平安時代中期に独自の政権を樹立して朝敵となった豪族、平将門(903~940年)の首を供養するために建立された神聖な場所です。討伐後に京都でさらし首にされた将門の首が、故郷の東国へ向けて空を飛び、現在の大手町に落ちたという伝説に由来しており、古くから強い「怨霊伝説」の舞台として畏怖されてきました。
この場所に対する畏敬の念は単なる民間伝承にとどまらず、国税庁の公式ホームページ内にある「税の歴史クイズ」でも「たたりの噂」として紹介されています。同サイトの記述によれば、大正12年の関東大震災後、当時の大蔵省が焼け野原に仮庁舎を建設するため、将門塚を一度取り壊しました。しかし、その直後から早速整爾蔵相が病死し、工事部長を務めていた管財局技師の矢橋賢吉が亡くなるなど、関係者の不幸が相次いだことでたたりの噂が広まったとされています。さらに昭和15年には落雷によって大蔵省庁舎が焼失したほか、戦後には連合国軍が塚を整地しようとした際にブルドーザーの横転事故で運転手が死亡するなど、塚の改変に関わる不可解な出来事が続きました。
東京都の都心部で大規模な再開発が進む現在においても、この一角だけはアンタッチャブルな領域として手厚く保護されてきました。今回の不敬な行為に対し、参拝客からは憤りの声や、たたりを恐れる不安の声が上がっています。









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