
フランスのエマニュエル・マクロン大統領とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は8月24日、パリ郊外に日本の人気アニメ「ドラゴンボール」を題材としたテーマパークを含む大規模な複合施設を建設することで合意し、共同声明を発表しました。一部の地元メディアや仏メディアの報道によると、施設に含まれる3つのテーマパークのうちの1つは、日本の人気アニメ「ドラゴンボール」の世界観を再現したものになるとされています。
この巨大プロジェクトは、サウジアラビアの国営会社「キディヤ・インベストメント・カンパニー(QIC)」が中心となって資金を調達し、総投資額は約60億ユーロ(日本円で約1兆1100億円)に上ります。建設予定地はパリ北西部の郊外であり、3つのテーマパークとレジャー施設、ホテルなどが一体的に整備される計画です。この大規模開発により、将来的には約2万2000人の新たな雇用創出が見込まれています。
マクロン大統領は自身のX(旧Twitter)において、「1992年開園のディズニーランド・パリ以来、これほどの計画はなかった。新たな世界的観光拠点が誕生する」と述べ、計画の歴史的意義を強調しています。この異例の投資のきっかけには、マクロン大統領とムハンマド皇太子が共に「ドラゴンボール」をはじめとする漫画のファンであるという個人的な共通点があると仏大統領補佐官が説明しています。
サウジアラビアは、脱石油依存を目指す国家戦略を掲げており、世界的なエンターテインメント産業への投資を加速させています。一方のフランスも、莫大な海外投資を呼び込むことで地域経済の活性化と雇用拡大を狙っており、両国の経済的・文化的な利害が完全に一致した結果と言えます。
中東から欧州へ広がる日本発IPの影響力と先行する本国プロジェクト
「ドラゴンボール」をテーマにしたパーク建設は、今回合意されたフランスでの計画が初めてではありません。サウジアラビア本国ではすでに、首都リヤド郊外において、世界初となる同作の巨大テーマパーク建設計画が進行しています。事業を担うQICの主導により、広大な敷地に全高約70メートルの「神龍(シェンロン)」がそびえ立つなど、圧倒的な規模の施設が整備される予定です。
このように、日本のコンテンツが中東の国家的なエンターテインメント戦略の核として採用され、さらに欧州へと展開される事例は過去に類を見ません。国家間の巨額投資を動かし、新たな雇用や世界的観光地の創出を牽引する日本のアニメコンテンツの圧倒的なブランド力と影響力が、今回の歴史的合意によって改めて浮き彫りとなりました。今後の建設に向けた具体的な実務協議と、開業時期の公式発表が世界中から注目されています。












-300x169.jpg)