
フランスの保健当局と消費者行政当局は8月21日、妊娠や性感染症(STI)を十分に防ぐことができない懸念がある規格外のコンドームがオンラインなどで販売されているとして、注意喚起を行う声明を発表しました。
当局の調査によると、欧州連合(EU)の安全基準に適合していることを示す「CEマーク」やフランス語の取扱説明書がないコンドーム約30種が、大手を含むオンライン通販サイトを通じて1000箱、4万個販売されていたことが判明しています。これらの製品は主にアジア系の流通業者を通じて販売されており、当局の指摘を受けた複数の通販サイトは、36種類の製品について即座に取り扱いを停止しました。
この流通規制の対象には、日本の著名なメーカーであるオカモトや相模ゴム工業の製品も含まれています。しかし、両社の製品は日本国内における医療機器規制を順守して適正に製造・販売されているものであり、今回問題視されたのは、正規のルートを経ずに流通業者によって転売された並行輸入品などであるとみられています。
さらに、オンライン通販における規格外製品の問題にとどまらず、正規のEU認証マークを取得して実店舗や薬局で販売されていたコンドーム2種についても、微細な穴が開いていたり、使用中に破裂したりする重大なリスクが確認されました。これにより、5月から8月にかけてリコールの対象となった製品は26万個に上ります。オンライン通販でのCEマーク等の欠如による販売停止(約30種・4万個規模)と、実店舗での不良品リコール(2種・26万個規模)という、流通経路の異なる2つの問題が同時期に表面化したことで、製品の安全性に対する懸念が急速に高まっています。粗悪品の流通は、望まない妊娠だけでなく、健康被害をもたらす危険性が指摘されています。当局は消費者に対し、購入時にCEマークの有無や正規の販売経路を確認するよう強く求めており、市場監視を一層強化する方針を示しています。
深刻化する性感染症の現状と若年層への予防施策
フランス当局が品質管理に対してここまで神経をとがらせる背景には、欧州全域で性感染症が急激に拡大しているという公衆衛生上の危機があります。欧州疾病予防管理センター(ECDC)の最新データによると、EU域内における淋病(りんびょう)の感染者数は2023年に前年から3割増となり、14年との比較では4倍超に達するなど、記録的な水準で増加しています。
こうした感染拡大の要因として、若年層のコンドーム離れや性教育の不足、SNSを通じた出会いの増加などが指摘されています。事態を重く見たフランス政府は、マクロン大統領の主導により23年から26歳未満の若者を対象に、薬局で無料でコンドームを入手できる制度を導入し、予防策を一段と強化しました。
政府が予防策を推進する中で規格外の製品が流通している事態を受け、当局は今後も悪質な転売や粗悪品の流通に対する監視を続けるとみられます。












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