
イランの首都テヘランで、ガソリンを求める車やオートバイの列が相次いで確認されています。燃料不足に加え、値上げが近いとの観測も広がり、市民が早めの給油に動いたことが背景にあるとみられます。25日には、複数の給油所で長い待機列ができる状況となりました。
当局側の説明では、国内のガソリン供給は需要に追い付いていません。日量の不足分は少なくとも1400万リットルに達しているとされ、需要の増大や供給面の制約が首都圏の生活に直接の影響を及ぼしています。テヘランのガソリン需要は急増しており、ドライバーの間では燃料タンクが十分残っている段階でも給油を急ぐ動きが生じています。
首都の供給を担うイラン全国石油製品分配会社のテヘラン地区責任者、フェレイドゥン・ヤセミ氏は、ガソリン分配量を30%増やしたと説明しました。24日には、テヘランで2600万リットル超を分配し、イラン暦の今年に入ってから最多を記録したといいます。しかし、供給増だけで需要の高まりと市民の不安を抑えられるかは不透明です。
石油・天然ガス資源に恵まれたイランでは、燃料価格や供給をめぐる問題が社会不安につながってきた経緯があります。今回も給油所の混雑は単なる物流上の問題にとどまらず、物価や公共サービスへの不信感を強める可能性があります。供給不足の長期化は通勤、配送、事業活動などを通じ、都市生活全体のコストを押し上げる要因になり得ます。
米国の金融圧力強化、輸入・決済への影響が焦点に
燃料事情の悪化には、対イラン圧力を一段と強める米国の政策も重なっています。スコット・ベッセント米財務長官は24日、イランとの金融・商取引を継続する国や組織に制裁のリスクがあると警告し、イランの国際金融網を遮断する方針を示しました。資金洗浄などを通じてイランを支援する主体については、米ドル決済網から排除する可能性にも言及しています。
制裁の強化は、イランが不足分を補うための燃料輸入や、関連する決済・輸送を難しくする可能性があります。一方で、供給不安を抑えるには分配量の拡大だけでなく、需要対策や輸入ルートの確保が欠かせません。市民生活に直結する燃料問題が、米国とイランの対立激化によってさらに深刻化するのか、今後の供給状況と当局の対応が注目されます。

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