
ネパール中部と中国・チベット自治区の国境付近で26日に発生した大規模な土石流と洪水は、発生から3日を迎えても被害の拡大が続いています。ネパール災害対策当局によると、ネパール側では28日時点で579人が死亡し、1924人の行方が分かっていません。中国側でも7人の死亡と558人の行方不明が確認され、両国の死者は580人を超え、不明者は計2400人以上に達しました。
被災地では、山岳部で崩れた土砂や岩、氷が河川をせき止めて生じた「せき止め湖」の決壊リスクが続いています。下流域では二次的な洪水が起こるおそれがあるため、救助隊や住民に避難が呼びかけられ、一部で捜索活動が中断されるなど、安否確認は難航しています。発生から生存率が大きく低下するとされる72時間も経過し、厳しい条件の下で捜索が続けられています。
行方不明者には多くの外国人旅行者が含まれ、日本人5人も依然として安否が確認されていません。日本政府関係者やネパール観光当局によると、5人は大阪市に住む40代の夫婦と未成年の子ども3人とみられ、観光ツアーで現地を訪れていました。一家は26日朝、中国側からネパールに入国した後、連絡が取れなくなったとされています。
ネパール政府観光局が公表した安否不明者名簿には、ローマ字で「ヤマモト・トシタカ」「ヤマモト・カナコ」「ヤマモト・カヨコ」「ヤマモト・ハヤト」「ヤマモト・リュウト」の5人が記載されています。これまで「同じ姓の男女5人」とされていた情報について、国内報道では家族とみられることが伝えられています。ただし、政府が公表した情報には限りがあり、個々の安否や被災時の詳しい行動は確認されていません。
せき止め湖の監視が焦点 道路寸断で救助に制約
今回の災害では、山腹崩壊などで流入した土砂や氷塊が水をせき止め、複数のせき止め湖が形成されたとみられています。自然にできた堤防部分が崩れれば、大量の水や土砂が短時間で下流へ流出し、既に被害を受けた集落や救助活動中の地域に新たな被害を及ぼす可能性があります。
ネパール当局は生存者の捜索を続ける一方、避難、河川の監視、道路や通信の復旧を進めています。日本政府も在ネパール日本大使館を通じて現地当局に捜索・救助を依頼し、情報収集を継続しています。被害人数は救助や不明者名簿の精査で変動する可能性があり、山本さん一家5人を含む旅行者の安否確認が急がれます。


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